スピードウェイ

gakus2004-07-06

 最近の日本映画の中では、かなり好きな部類に入る「アイデン&ティティ」がDVDで8月27日にリリースされる。

 みうらじゅん原作、田口トモロヲ監督の、この映画はバンドブーム衰退期、パンクポップ風バンド、SPEED WAYを率いる主人公がアレコレと悩み、ジタバタする青春劇。理想だけは崇高だが、やるべきこととやめるべきこと、できることとできないことの境界が見えずに迷っている。そんな主人公のまえに、ボブ・ディランもどきが現れる。ディランの真摯な歌に、弱い自分を見つけてしまう主人公。そんな姿がリアルで、若いころの自分にシンクロしてしまう部分が多かった…なんて言うと、さも自分が成長したようだが、実は今もあまり変わってない。

 本題はSPEED WAY。このバンド名、けっこうありがちで小室某がTMネットワーク以前にやってたバンドもこんな名前だったが、さっぱり売れなかった。イギリスにも10年ぐらいまえに同じ名前のバンドがいた。ただし、こちらはスペースなしのSPEEDWAYスーパーグラス/SUPERGRASS、60FT DOLLSのデビューとほぼ同時期に出てきた、似たタイプのパンキッシュなバンドで、当時はマニック・ストリート・プリーチャーズ/MANIC STREET PREACHERSの前座を務めていた、と記憶している。(知る限りでは)シングルを2枚出したっきりで消えてしまい、少なくともブリットポップの波には乗れなかったが、デビューシングル『PEDIGREE SCUM』は当時お気に入りで、よく聴いた。バンド名通りの疾走感。看板に偽りはなかったかんだけど、あいにく「アイデン&ティティ」のSPEED WAYと同じような運命をたどってしまった。

 この曲は後にイギリス映画でも使われていて驚いた記憶があるが、何の映画だったかサッパリ思い出せない。こんなマイナーな曲を使うぐらいだから、映画も低予算だったと思うけど…。もう、このパターン、いいかげん止めたいな…。

 最近になってスコットランドから、もうひとつSPEEDWAYなるバンドが登場してきた。こちらは♀Vo.で、シングルを2枚聴いた限りではCURVEやGARBAGEを軽くしたようなデジタル風ロック。こちらはイマイチ名前負けかな…と思ったら、英国では売れてるみたいでアルバムも出していた。スピードウェイの勝ち頭。

 写真はブリットポップ落第生の方のSPEEDWAYの7"シングル『PEDIGREE SCUM』。レアっちゃーレアだが、持っていて威張れるようなアイテムでもない。探すならディスクユニオンの百円均一コーナーがオススメ。


アイデン & ティティ [DVD]

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