ジャッキーはモッズだった!?

gakus2004-07-27

 またまたTHE WHOの話。THE WHOの音楽を映画で耳にすることは多いが、最近いちばん驚いたのは、ジャッキー・チェン主演の「シャンハイ・ナイト」での起用です。

 ハリウッド資本で撮られたこの映画は、ご存知のとおり「シャンハイ・ヌーン」の続編にあたり、19世紀のアメリカ西部で保安官となっていた清朝中国の元兵士(ジャッキー)が、亡き父の仇を追って相棒(オーウェン・ウィルソン)とともにロンドンに飛び、大暴れするというもの。最近のジャッキー・チェン作品のなかでは、かなり健闘している部類に入り、アップテンポかつコミカルなカンフーやアクロバティックなスタントなど、ジャッキーのアクションは全盛期のノリをほうふつさせる。

 映画の舞台が1890年代のロンドンということで、音楽は(時期はともかく)スウィンギン・ロンドン華やかかりしころ(1960年代)のヒット曲でまとめている。THE WHOを筆頭に、ゾンビーズ/THE ZOMBIES、ジョージー・フェイム/GEORGIE FAME、さらに女性Vo.によるキンクス/THE KINKS『ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT』のカバーなど、MODS仕様のセレクト。正直、ジャッキーの映画で、こんな選曲と遭遇するなど思っていなかった。『サザエさん』にモーターヘッド、『ドラえもん』にスターリンが使われるくらいの驚き…というと大げさだけど、まあそんな感じです。

さらに驚いたのは、THE WHOのナンバーは『MY GENERATION』の他に『MAGIC BUS』が使われていて、これが何とリミックス・バージョン。サントラにも触手が動くが、この一曲のためにCDを買うべきか…と頭を悩ませる、オタク・ファンには困ったシロモノなのである。それにしても、こっちに曲を使わせ(しかもリミックスまで許可す)るなら『華氏911』に協力したって、いいんじゃないのか(※7月26日の日記参照)、という気がしないでもないな…。

 写真は一週間前のmuraさんのコメントにも登場したジョージー・フェイム、1967年発表のベストアルバム『HALL OF FAME』。この映画に使用されている『YEH YEH』を収録している。このころまでのフェイムの最初のオリジナルアルバム3枚は、何度聴いても飽きがこない超グルーヴィーなモッズ必聴盤。