馬鹿がカートでやってくる
東京国際ファンタスティック映画祭2004で、「ジャッカス・ザ・ムービー」を観る。
MTVで放映されていた『JACKASS』をスケールアップした本作。危険なスタントに挑む男たちのドキュメント…といえば聞こえはいいが、やってることはかなりくだらない。スーパーのカートに乗って猛スピードで坂を転げ突進していく冒頭のメンバー紹介を皮切りに、ワニに乳首を噛まれて我慢するとか、ペーパーカッターで指と指の間を切るとか、デパートに乱入してプロのボクサーと試合をするとか…。どっきりカメラ的なテイストも強く、ゴルフ場でショットの瞬間にラッパを鳴らしたり、家庭用品店の売り物の便器にウンコして立ち去ったり、老人の特殊メイクをして酒屋で万引きしたり、大人のオモチャを使用後クレームをつけて店に返品しに行ったり。下ネタも多くて、本当にくだらないんだけど、まったく退屈しなかった…というか喜んで大笑いしたのは私の品性がその程度ということでしょうか。自分の小便をコーンの上に乗せた雪にかけて、レモンシャーベットと称して食べるのは、「ピンク・フラミンゴ」のディヴァイン級の快挙ではないか、と。もっともっとバカ・スタント(スタントと呼んでいいのか、怪しいモノも含む)がいっぱいありますが、それは観てのお楽しみということで…。
一部で話題になっていた日本ロケのシーンでは、パンダの着ぐるみをきたメンバーが夜の渋谷の街でスケボーをしたり、階段を転げ落ちたり、靴屋の靴の山に突進したり。この大暴れに重なるナンバーが、なるほどね、なヴェイパーズ/VAPORS『TURNING JAPANESE』。確かに日本をかき回しています。 この曲もそうだけど、Ramones、Misfits、Slayer、Rezillosなどなど、パンキッシュなナンバーは、一発芸的なギャグに妙にフィットすることを発見。瞬発力勝負のモノ同士、相性が良いのでしょうか。
ジャケは『TURNING JAPANESE』を収録したVAPORS、1980年の1stアルバム『NEW CLEAR DAYS』。ネオモッズ、パワーポップ系必聴盤として有名です。
ジャッカス・ザ・ムービー 日本特別版 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
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