あったかいブルース

gakus2005-05-06

 国連本部内での史上初のロケ撮影が話題を呼んでいるポリティカル・サスペンス「ザ・インタープリター」のお話。

 国連で演説を行なうアフリカ某国の独裁者の暗殺計画を知ってしまった、同国出身の女性通訳官(ニコール・キッドマン)が、この独裁者の警護にあたることになったシークレット・サービス(ショーン・ペン)と心を通わせつつも、危険な陰謀に巻き込まれていく。オスカー俳優同士の競演は、さすがに見応えがあります。

 最初はヒロインに疑惑の目を向けていたショーン・ペンも、ヒロインと、たがいの孤独を分かち合うようになる。その転機となるのが、眠れぬ夜に電話で話をするシーン。緊迫感のあるドラマの中で、数少ない心が和むシーンだが、そこから翌朝への場面転換のブリッジとして流れるのが、ジャック・ジョンソン/Jack Johnsonの『F-STOP BLUES』。弾き語りの好ナンバーで、渋みの中に温かさをにじませる。

 あと、音楽とは関係ないけれど、ニコールはモッズ風のカッコいいスクーターに乗っていた。バイクの種類には疎いのでヴェスパかランブレッタかは知らないが、あれでNYの通りを颯爽と走るなんて、気持ちいいだろうな…。

 ジャケはジャック・ジョンソン、『F-STOP BLUES』を収録したファースト・アルバム『BRUSHFIRE FAIRYTALES』。初めてジャック・ジョンソンという名を聞いたときは、ずいぶん大きく出た芸名だな、と思った(ついでにBLACK系の人とカン違い)。それともかく、マーヴィン・ゲイの『WHAT'S GOING ON』を思わせるナイス・ジャケ。

ザ・インタープリター [DVD]

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