平和ボケを取り戻せ!

gakus2005-07-04

 アメリカ独立記念日だからというわけではないけれど、「インデペンデンス・デイ」をビデオで鑑賞。久しぶりに観たが、“今”のSF映画ではなくなっちゃったな、と感じた。

 「宇宙戦争」「スター・ウォーズ/エピソード3」はどちらも派手な娯楽作である。が、どちらも政治的な問題意識を隠し味にしているのは一目瞭然で、前者は侵略されて難民になるとはどういうことかを見せつけ、後者ではひとりの人間がどのように独裁支配を固めていくのかが見てとれる。作り手が意識した・していないは別として、どちらも“911”以後のアメリカの“今”がすり込まれてるいる、と見ることは可能だ。

 しかし、これらにまじって今「インデペンデンス・デイ」が公開されたなら、極端なタカ派映画として嫌う人は多いのではないだろうか。この映画を娯楽として単純に割り切って観るこのとできる人は、圧倒的に初公開時の方が多かったはずだ。当時“なんだ、アメリカ万歳の映画かよ…”と思った人も、もちろんいただろう。が、“アメリカ万歳”と叫ぶ声は、当時と今では響きが全然違う。

 こちらも公開間近の「チームアメリカ」では、“平和ボケを取り戻せ!”という主題歌が鳴り響いているが、映画を単純に娯楽として割り切るためには平和ボケも必要なんだろうなあ、とついつい考えてしまった。

 ジャケはR.E.M.、1987年リリースのシングル『IT'S THE END OF THE WORLD AS WE KNOW IT』。「インデペンデンス・デイ」の冒頭で、宇宙観測所の科学者がパットゴルフをしながら、この曲を聴いている。皮肉の効いた選曲。

インデペンデンス・デイ [DVD]

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