suck in the 80’sその5

gakus2005-10-10

 トム・クルーズをスーパースターの座に押し上げた1986年のヒット作「トップガン」のDVDが、2枚組の新仕様で再リリースされる。そのからみで改めて見直したが、音楽の使われ方に限ると、今観るとこれが結構照れくさい。ケニー・ロギンス/KENNY LOGGINSの『DANGER ZONE』がガンガンフィーチャーされる飛行シーンも、ビルボードのチャートでナンバーワンに輝いたBERLIN『TAKE MY BREATH AWAY』が流れる青みがかったラブシーンにしても、やり過ぎ感を覚えてしまう。この2曲に関しては、映画のヒットのおかげでメジャーとなり、その後TVや映画のパロディーやらに散々使われ、ひとり歩きしてしまった感もあり、そのおかげで本家の使われ方が大げさに思えてしまうのかも。

 とはいえ、おかげでこの2曲が「トップガン」に使われていたことは忘れようがないが、中には使用されていることに改めて気づいたり、思い出したりしたものもある。例えば、トムが亡き母親の思い出の曲であると、ヒロイン、ケリー・マクギリスに語るのがオーティス・レディング/OTIS REDDINGの『DOCK OF THE BAY』であるとか。また、トムがバーで初めてケリーと出会い、口説くために仲間とともに『YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELING』を歌っているが、これがラストでライチャス・ブラザースのバージョンで再び流れ、ふたりのシーンを盛り上げている。トムが歌うといえば、彼と相棒がピアノを弾きながら、相棒の妻(当事無名のメグ・ライアン)にジェリー・リー・ルイスの『GREAT BALLS OF FIRE』を歌っていたり。トム本人はインタビューでは“僕はオンチだから"などと語っていたが、「宇宙戦争」でも歌っていたし、実はけっこう歌うの好きなんじゃないの…。

 ジャケはオーティス・レディングの死後、1968年にリリースされ大ヒットした『DOC OF THE BAY』収録の同名アルバム。オーティス本人は、この曲を気に入っていなかったというが、本人が生きていたらリリースされたかどうか…。それとはもかく、この曲は現行の「トップガン」サントラCDに、先述の2曲とともに、ボーナストラックとして収録されている。

トップガン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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