ロックでリスペクト

gakus2006-03-06

 全米公開から一年弱、漸く4月に日本公開が決まったリメイク版「ロンゲスト・ヤード」について。

 刑務所送りとなった元プロアメフト選手(アダム・サンドラー)が、所長の要請で囚人フットボールチームを編成することに。看守チームの練習相手程度に考えられていた彼らだったが、憎き看守を公然と痛めつける機会なんて、そうあるもんじゃない。かくして意地を賭けた戦いが幕を開ける。男気という点では、もちろんロバート・アルドリッチ版にはおよばないが、アダム・サンドラーが主演を務めていることを踏まえれば、見る側もそれを望まないだろう。とはいえ、従来のサンドラー作品よりもバカ度は控えめで、意外にがんばってスポ根している。オリジナル版主演のバート・レイノルズも味のある役で出演。

 2005年5月30日の日記に記したとおり、サントラはヒップホップ系アーティストばかりだが、印象に残るのはむしろオールド・スタイルのロックンロール。練習場に嫌がらせで水をまかれ、“雨も降ってないのに…"とボヤキつつも、囚人チームがヤケクソ的ガッツをみせて泥だらけになりながらガッツを見せて練習するシーンに、CCRの『HAVE YOU SEEN THE RAIN?』をフィーチャー。シチュエーションにピッタリの詞。また、CCRはもう一曲、クライマックスの試合のシーンで『BOOTLEG』が鳴り響き、ジョン・フォガティのワイルドな歌声が熱戦を盛り立てる。

 AC/DCの『THUNDERSTRUCK』が試合開始時にドーンとなって緊張感を高めているのもいい感じ。また、JET『ARE YOU GONNA BE MY GIRL』のインスト・バージョンが、冒頭のサンドラーと警官隊のカーチェイスシーンでガンガン鳴っていて気持ちよい。それと、忘れちゃいけないNORMAN GREENBAUM『SPIRIT IN THE SKY』は葬儀シーンでのフィーチャーで、ヘタに感傷的にしないところがいい。

 1970年代風のゴツゴツしたロック・テイストで貫かれているのは、やはりオリジナルが作られた時代への敬意の表れなのだろうか。

 ジャケはCCR(CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL)、『BOOTLEG』収録の1969年の2ndアルバム『BAYOU COUNTRY』。このジャケ一度のっけたかもしれないけど、かっこいいので何度でも…。