マンハッタンに香辛料

gakus2006-04-25

 デンゼル・ワシントンジョディ・フォスター、クライブ・オーウェンの共演、スパイク・リー監督によるサスペンス「インサイド・マン」(6月公開)は、恐ろしく頭の切れる銀行強盗犯と警察の攻防を描いたもの。舞台はマンハッタンで、スパイク・リーらしい都会臭ムンムンの映画となっている…が、なぜかこの映画のオープニングはマサラ歌謡。インド系のキャラクターが登場するわけでもないのに。エンディングでは再び、このナンバーが流れるが、こちらは英語のラップを被せた、サンプリングに近いバージョン。このようにメインテーマ的な扱いなのだが、いったいどういう理由から起用したのか気になる。

 エンドクレジットによると、この曲はA・R・ラフマーンによるもの。この人「ムトゥ踊るマハラジャ」の音楽で日本でも有名になった売れっ子作曲家です。

 ジャケは明日発売される「ボリウッド/インド映画ベスト・ヒット」なる2枚組のコンピレーション・アルバム。タイトルのとおり歴代のインド映画から、そこで使われたヒット曲を集めたものでラフマーンによるナンバーも収録している。取上げられている映画はほとんどが日本未公開だが、脳髄がとろけそうなオリエンタル・ムードは捨てがたい。『姉さん、あなたの夫の弟は変な人』という、タイトルだけで脱力してしまうナンバーもあり。