彼女はスーパーフリーク

gakus2006-11-09

 全米で小規模公開でスタートしたものの、ロングラン・ヒットとなってアカデミー賞の呼び声も聞こえてきた「リトル・ミス・サンシャイン」(12月公開)のお話。

 “勝ち組”にこだわるものの自作の自己啓発本の出版もままならず負け犬に転じそうな父、無力な母、自殺未遂をしたゲイの伯父、ヤク中で粗暴な祖父、嫌世的で無言の兄。幼い女の子が夢だったミスコンに出場するため、そんな家族とともにポンコツのワゴンでカリフォルニアに向かうが、道中で家庭問題が噴出しまくって大変なことになる。はみ出し一家の悲喜劇を描いたコメディー。勝ちとか負けとか、そんな基準で図れない“規格外”であることの意義を謳った、愛すべき作品であります。

 そんなテーマが明確に浮き彫りとなるクライマックスでフィーチャーされるのがRICK JAMES『SUPERFREAK』。どんな風に流れるのか詳しくは書かないけれど、「バス男」のJAMIROQUAI『CANNED HEAT』にも似た扱い。この曲はMCハマーに使われたことで今となっては一抹の前時代的ダサさを醸し出しているんだけど、気恥ずかしいような、でも熱いような、とても微妙な高揚感を覚えさせる。そこが、この家族の実像にハマッているのかもしれません。

 ジャケは1981年リリース、この曲を収録した大ヒット・アルバム『STREET SONGS』。