なまいきスカーレット

gakus2007-01-13

本日も米国南部ルイジアナを舞台にした新作のお話。『ママの遺したラヴソング』(3月公開)は、ジョン・トラボルタスカーレット・ヨハンソンの共演による人間ドラマ。母の訃報を受けてニューオリンズに帰郷した、ちょっとビッチな少女(ヨハンソン)が、母の家に住み込んでいた元文学教授(トラボルタ)とその教え子に出会う。母の遺言に従い、彼女は見ず知らずの男ふたりと共同生活をおくることになるのだが、男たちは昼間から酒を飲んでグタグダしており、最初は衝突し合うがやがて心を通わせ、亡き母が彼らを住まわせていた理由が明らかになってゆく…。ゆったりと気持ちよい時間の流れに、人間の温かみがにじみ出る好編。

この映画には原作があるのだが、その作者の息子でミュージシャンのグレイソン・キャップスが6曲を提供し、なおかつバンドのシンガー役で出演もしている。今まで知らなかったけれど、この人ブルース界の注目株とのこと。この他に、マジック・スリムやライトニン・ホプキンスなどの古典的アーティストもフィーチャーされている。これらはニューオリンズの空気そのもので、そこに染まって生きているトラボルタらのBGMでもある。

対して、スカーレット・ヨハンソンのBGMとなるのはモダンなオルタナ・ロック。NADA SURFも使われていたようだが、個人的に認識できたのはGIANT DRAGの『THIS ISN’T IT』。ヨハンソンが壁のペンキ塗りをしながら、この曲をラジカセで流していて、トラボルタに“うるさい”と怒鳴られるが、彼女はひるむどころかボリュームを上げる。生意気さと同時に、南部女性の強気を見せられたシーンでした。

ジャケはこの曲を収めた2005年リリース、GIANT DRAGの1stアルバム『HEARTS AND UNICORNS』。ルーズで甘い女性Vo.にポップなギターサウンドが乗っかった、昨年の愛聴盤の一枚。