アッシュの血

gakus2007-05-04

 今日も劇場未公開ビデオスルー作品の話。『MAY メイ』で注目していたラッキー・マッキー監督の新作『怨霊の森』についてです。

 1965年、森の中の寄宿学校に入れられた女の子が、怪しい声を聴いたり幻覚を見るようになり、友人になった女の子が失踪するにいたり、この学校がどこかおかしいことに気づくのだが、時すでに遅く彼女はいけにえにされそうになる…。『メイ』もそうだったが、この監督は女の子の生臭い生理をとらえるのがうまく、そこに立脚して今回はオカルトを撮っている。やたらとアップで撮られるヒロインの女の子(アグネス・ブルックナー)が10代ならではの反抗的な雰囲気を出していて、いい感じ。ちなみに、その父親役でブルース・キャンベルが出演していて、クライマックスは『死霊のはらわた』へのオマージュと思わせる展開。ここでヒロインは斧を振るって大立ち回りを演じるが、『死霊のはらわた』で斧を持ったときにはビビッていた父親に比べると頼もしいかぎりでした。

 さて音楽は、この時代の女の子が愛聴していたであろうLESLEY GOREのオールディーズが数曲使われている。オープニングには『YOUNG AND FOOLISH』がノーテンキな感じで流れ、ヒロインが隣のベッドの女の子と聴くラジオでは『YOU DON’T OWE ME』が哀愁たっぷりに鳴っていた。この曲はエンドクレジットで再登場し、“私を束縛しないで、自由にさせて”と、青臭い雰囲気たっぷりにティーンの本音をダメ押し。

 ジャケはLESLEY GOREのベスト盤。『YOUNG~』は入っていないが、『YOU DON’T~』や、おなじみの『IT’S MY PARTY』は収録。ジャケもイイですな。