GO RAZZIE!

gakus2008-02-24

 明日はアカデミー賞、でもその前にラジー賞、というワケで発表された、最低映画に贈られる今年のゴールデン・ラズベリー賞リンジー・ローハン主演のスリラー『I KNOW WHO KILLED ME』がラジー史上初の8部門制覇を成し遂げた。

 小説を書くことが好きな令嬢が、世間を騒がす連続殺人犯に誘拐され、指切断などの『ホステル』的な切り株拷問を受けるが、スキをついて自力で脱出。しかし病院のベッドで目を覚ましたときには、右手と右脚を切断されていた。しかもあろうことか、彼女は自分が令嬢とは別人で、バーのストリッパーであると主張する。とりあえず令嬢の家に帰宅したものの、その後も彼女に奇妙な出来事が起こり…。

 サイコスリラーと思いきや、現実か幻想かわからなくなってくる上に、聖痕伝説に謎解きのヒントを求め、ストーリーはオカルト化する。よくいえばシュールで、悪く言えば意味不明。自分はコレを米盤のDVDで見たので、最初は英語がわからないから理解できないのかと思ったが、2度観てもやはり謎だらけ。リンジー・ローハンは令嬢とストリッパー役を演じ分けていて、ストリップダンスのエロチックな熱演は、まあ認める。血糊の量だけみれば、スプラッター好きとしては合格点だ。しかしこのエロとグロだけで十分、良識ある観客は眉をひそめるのに、さらにモヤモヤが残るんだから…。ラジー賞も仕方ないか。

 こんな映画にも好きなバンドの曲が使われていたりする。オーストラリアのヒネクレ・ポップ・バンド、Architecture in Helsinkiの“MAYBE YOU CAN OWE ME"が映画の前半、ヒロインが自室でPCに向かい、小説を執筆しているシーンで流れてくる。リンジーはこのシーンでイヤホンをしているから、おそらくこの曲を聴いている、ということなのだろう。甘めの曲はコレだけで、リンジーがストリッパーに変わってからはギターがバキバキいっているハードかつダンサブルなナンバーが多くなる。で、ジャケはArchitecture in Helsinkiのこの曲を収録した2005年のアルバム『IN CASE WE DIE』。

 そういえば、タランティーノがリンジーを『ファスター・プッシーキャット キル!キル!』のリメイクに起用する、なんてニュースがちょっと前に流れたけれど、これを見れば少しは納得できる。ゴー・ゴー・ダンスが踊れて、なおかつ巨乳。それに『プラネット・テラー』のゴー・ゴー・ダンサーも片脚をなくしていたから、タラ的にはシンパシーを感じる点が多かったのかも。とにかく、見ている人は見ているし、そもそもラジー賞はジョークであり、それを真に受けるなど愚の骨頂。この受賞、不名誉どころか胸を張っていいと思うぞ、リンジー