きみの友だち

gakus2008-06-13

 日本映画はあまり見ないけれど、時々目にする作品の中には“これを見逃さなくて本当によかった…”と思えるものがある。『きみの友だち』(7月公開)は、まさにそんな一本。

 重松清の同名小説を映画化したこのドラマは、脚の悪い女の子の親友との短い交流を軸にして、友情のさまざまなかたちを描きながら、友人の意味を問うもの。ちょっとした接点だけで強い絆を感じることもあれば、いつも一緒にいても離れてしまうこともある。そんなコミュニケーションの不思議が、胸にしみてくる。

 この映画の音楽的な主役は一青窈の主題歌ということになるだろうけれど、個人的にはブルックリン出身のインディー・バンド、AU REVOIR SIMONEのナンバー。”THE LUCKY ONE”のシンプルなピアノのメロディ、"DON'T SEE THE SORROW”のソフトな響き。何でも受け入れてしまうような素朴さが、この映画のタッチにフィットしていて、不覚にも泣けてしまった。

 ジャケは先述の2曲を収めたアルバム『THE BIRD OF MUSIC』、2007年リリース。