アメリカン・モッズ

gakus2009-07-05

 最近のDVDスルー作品の中で、音楽的にオッ!?と思ったのはジョン・ヘダー主演の『ママ男』。ヘダーふんする主人公は30近くなっても母親(ダイアン・キートン)離れできないマザコン男で、母を独占したくて再婚話をダメにしようと相手の男に執拗に嫌がらせを繰り広げる。一方で、アンナ・ファリスふんするミュージシャン志望の女の子と恋に落ちるのだが、そんな性格ゆえにままならず……というお話。

 襟の細いスーツを着てモップのような頭をしているヘダー、最初の方でTHE JAM"LIZA RADLEY"が聴こえて来たと思ったら、ヘッドフォンでやはりジャムの"ART SCHOOL"を聴き、冒頭の”1、2、3、4!”をシャウトするモッズ青年だった。"MODERN WORLD"も聴こえてくるし、"BUT I'M DIFFERENT NOW"もクライマック近くで主人公の気持ちを代弁するかのように鳴る。ジャムづくし。

 しかし、それだけではなく主人公はTHE SMITHSの大ファンであることもわかる。ファリスに対して、"MORRISSEYTHE SMITHS解散で終わった”などと知った口をきくが、ファリスはモリッシーのソロ曲"AMERICA IS NOT THE WORLD"を聴かせて、そんなことないと主張する。で、ヘダーがちょっと照れたように"悪くない"と言ったり。この曲はクライマックスで、重要なアイテムとして再び使用される。また、スミスの"HEAVEN KNOWS I'M MISERABLE NOW"はタイトル通りのシーンでの起用。

 アメリカでこれらの曲に熱中していたとしたら、そりゃ浮いてる存在だよなあと思わせるに十分。ストーリー自体はドタバタでありがちだけれど、自分のようにヘダーのキャラについ共感する人はいるんじゃないかな。念のため、自分はマザコンではありません。

 ジャケはTHE JAM"LIZA RADLEY"収録、1996年発売のコンピ"Jam Collection"。どの曲も既にアルバムに収録されているが、見つけたら速効ジャケ買いすべし!

ママ男 [DVD]

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