生と死の狭間で

gakus2009-07-07

 今週末劇場公開される『サンシャイン・クリーニング』がイイ! 『リトル・ミス・サンシャイン』の製作チームによる新作。

 主人公は、その昔はチアリーダーで人気者だったが、今はハウスクリーニングの仕事に奔走する30代のシングルマザー(エイミー・アダムス。今夏は『ナイト ミュージアム2』やら、メリル・ストリープ共演の新作やらで大忙し)。そんな彼女が、”もっと実入りの良い仕事を”とばかりに、自殺や他殺といった事件の現場専門のクリーニング業(サミュエル・L・ジャクソンが『ザ・クリーナー』でやってたあの仕事)に着手する。パートナーは、どんな仕事も長続きしない責任感に欠けた妹。最初は仕事場でゲロ吐いたりしていたものの、さまざまな死に接し、また新たな出会いを経験することで、彼女たちはそれぞれに成長することになる…。『リトル・ミス…』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したアラン・アーキンもヒロインの父親役で、またまたイイ味出してます。

 基本的にはユーモラスなお話しで、死を題材にしながらも決してヘビーではない。むしろ死ぬのも大変だけど、生きていくのも大変だなあと思わせるところが妙味。だからこそ、”今日は素晴らしい日だった”とできるだけ多く思いたいものだ。そんなことをボンヤリと考えながら見てしまった。

 ラストに流れるのはNORMAN GREENBAUMの69年のヒット曲”SPIRIT IN THE SKY"。ヒッピー思想的な”死んでもいいじゃない”的ナンバーだが、こういう局面でノンキなブギーが聴こえてくると、曲の意図以上にポシディブに響くから不思議だ。カラッと明るくドラマを締めくくっている点でも効果的。

 ジャケは1969年発表、ノーマン・グリーンバウムのアルバム『SPIRIT IN THE SKY』。