目立たない映画音楽

gakus2010-02-13

 毎年のようにこの時期、同じことでグチってる気がするが、アカデミー賞の音楽部門ノミネートは今年も納得がいかなかったなあ。何がって、スパイク・ジョーンズ監督作『かいじゅうたちのいるところ』が選から漏れたこと。

 ヤー・ヤー・ヤーズのカレン・Oと、カーター・バーウェルが共同で手掛けたスコアはゴールデングローブ賞にノミネートされたし、ブロードキャスト批評家協会賞ではスコア部門に加え、”ALL IS LOVE"が主題歌賞にもノミネートされている。しかし、アカデミー協会はガン無視。自分のセンスはアカデミー会員とズレてるのかなあ…。

 アカデミー賞のセンスが古いとは思わない。なんたって、エミネムにオスカーを献上するぐらいなのだから。ただ、映画を見ていて”音楽”と認識できるものが、アカデミー賞では強い傾向にあるんじゃないかと思える。映画を見ていて、映画音楽であることを忘れて”いい曲だ”と思えるようなナンバー。そういう基準なら基準でオッケーだ。でも一方で、映画音楽は映画の一部として機能して、初めて認められるべきだという思いもある。

 そういう点では、『かいじゅうたちのいるところ』は不利だったかもしれない。自分がこの映画を見たとき、ほとんど前情報がなく、カレン・Oが関わってるなど、まったく知らなかった。見ている最中は、アコースティックな音楽がこの映画の素朴さを際立てていて、いいな、と思った程度で、エンドクレジットを見て初めて彼女が関わっていると知り、驚いた。言われてみれば、あれはカレンの声だな、と。それはともかく、あまりにも映画に溶け込んでいて目立たなったのかなあ。そのために正当に評価されていないなら、なんとも残念。

 ジャケはYEAH YEAH YEAHS、昨年リリースしたアルバム、『IT'S BLITZ!』。先月の来日公演、見逃したが悔やまれる。

 最近の愛聴盤↓

かいじゅうたちのいるところ-オリジナル・サウンドトラック

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 ↓スパイク・ジーヨンズとカレン・Oを結ぶ傑作ビデオ。カレンはここでも子供たちと同化。しかし、ここでのガキどもは、かいじゅうより怖い。

 余計なお世話だが、このビデオに出た子供たち、トラウマにならないか心配…。

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