ポルノを作る
見てからずいぶん時間が経ってしまったけれど、忘れないうちにケビン・スミス監督、前作『CLERKS 2』に続いてまたも日本では劇場未公開だった『恋するポルノグラフィティ』の話を。
ザックとミリの男女は長年の親友同士で、ひとつ屋根の下で共同生活をおくっている。もちろん性交渉はナシ。そんな彼らが生活に困り、電気や水道を止められたあげく、ポルノ映画を撮影して金を稼ぐことを思いつく。友人たちを集め、出演も自分たちがこなし、ザックとミリは撮影で初めて体を重ねることに。ところがこの一発以来、彼らの関係に恋愛感情が入りこむようになり、他の出演者との濡れ場に微妙な感情が入り込む…。
『スター・ウォーズ』(最初に撮ろうとするポルノのタイトルは”スター・ホァーズ”!)などの映画のパロディ、リアルな会話とユーモア、下ネタ、ジェイなどなど、ケビン・スミスらしさが詰まっていて、何度となく笑った。ラブコメとしての完結のさせ方も巧く、劇場公開されておかしくないクオリティ。個人的には『チェイシング・エイミー』に次ぐ、大好きなスミス作品。
スミスらしさといえば、80年代ソングのいかした使い方も見逃せないところで、笑ったのが前半の同窓会シーン。セス・ローゲンふんするザックが、同窓生ではない見知らぬ男(ジャスティン・ロング妙演)ふんすると出会う場面で、BRONSKI BEAT"SMALL TOWN BOY"が聴こえてくる。で、話しているうちに、ロングがゲイ・ポルノの俳優で、恋人(もちろん男)に同行して、この会にやってきたことがわかるやニヤリ。言うまでもなくBRONSKI BEATはゲイ・ダンス・ミュージックの旗手で、"SMALL TOWN BOY"は田舎のゲイ少年の悲哀を歌ったナンバーだから。鳴った瞬間はわからなかったが、こういうオチがあったとは。ともかく、この出会いに刺激を受けて、ザックはポルノを作ろうとする。
ケビン・スミスの新作『コップ・アウト』は、久々の彼の日本劇場公開作となるが、これについてはまた後日。ジャケはブロンスキ・ビートのデビュー・ヒット『SMALL TOWN BOY』、UK盤7インチ。
↓これがそのシーン
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