私の好きなイギリス映画 3

gakus2004-09-10

 「エイリアンVSプレデター」は、あくまでB級に徹した潔さと、爆笑と背中合わせながら、星を超えた戦士の絆の熱さがグッとくる、最高にエキサイティングな映画でした。が、ここではロックは聴けません…。

 しょうがない…というわけではないですが、今回も“私の好きなイギリス映画”を。昨日からの ザ・フー/THE WHO つながり…しかも本日DVDを購入した「Tommy・トミー」です。

 三重苦の少年の数奇な体験を描いた、恐らくはもっとも有名なロックミュージカル。この映画の主役は、もちろん元になるアルバムを作ったザ・フーなんだろうけれど、ケン・ラッセル監督のビジュアル・センスなくしては、ここまで強烈なものにならなかったのではないか、と思う。とりわけ後半は、ドラマの進行速度が落ちるにも関わらず、エロありグロありの映像面の凄みで押し切る力強さ。

 そんな演出に応えたのか、登場アーティストはみなさん狂い咲き状態で、キース・ムーンは言うにおよばず、神父役のクラプトンは何を考えてるかわからないし、エルトン・ジョンはマーブルチョコレートのワッカ眼鏡かけてるみたいだし。特筆すべきは『ACID QUEEN』を歌いながら注射器を持ってトミーを追いかけ回すティナ・ターナー! 夢に出てきたらやだな…と思わせるコワさがあります。

 混沌状態のなかでも、トミーの歌声だけは澄んでいる…というのがミソ。この映画で聴くロジャー・ダルトリーのボーカルの美しさには、いつもハッとさせらる。

 写真は、ハッとさせる人ではなく、ギョッとさせる人ティナ・ターナーのアルバムをセレクト。恐怖の『ACID QUEEN』を含む1975年の同名アルバムです。調子に乗って『I CAN SEE FOR MILES』もカバーし、さらにストーンズ『アンダー・マイ・サム』『夜をぶっとばせ』、ツェッペリン『胸いっぱいの愛を』までぶちかました凄すぎる一枚。