リンダ×3雑感

gakus2005-06-01

 昨日に続いて、和製青春映画の快作「リンダ リンダ リンダ」の話を。

 この映画には、どういうわけか居心地の良さを強く感じた。最初は“自分が高校生から何も成長していないからか!?”と自虐的に思ったりもしたが、やがて軽音楽部の部室のビジュアルが良いということに気づいた。楽器や器材、ダンボールとロッカーが無造作に置かれた乱雑感。こうでないと、“部室”という感じがしない。なんというか、“授業ぐらいサボッちゃえよ”と語りかけてくるような乱雑さなのです。映画のヒロインたちは、別にサボッているワケではないが…。

 そこにはアーティストのポスターやピンナップ、フライヤーやらがベタベタと貼られている。ときどきそれが登場人物の背景でありながらも、さりげなく画面の中央に位置していたりして、気がつけば視線が吸い寄せられている。リチャード・アシュクロフトのピンナップが画面のド真ん中に位置していたときは、ペ・ドゥナらのセリフのやりとり以上に、その眼力(というか目つきの悪さ)に否応ナシに吸い寄せられ“ガン飛ばさんでくれ…"という気になってくる。また部室の壁に貼られているTHE MUSICのファーストアルバムのジャケのポスターも吸引力ありで、“はーい、真ん中見てくださ〜い、眠くなりますよ〜”と言われてるみたい。↓

もちろん、映画は全然眠くなるような内容ではない。

 そういえば、ここに書いておかないとマズいことが。この映画のスコア、元スマッシング・パンプキンズ/SMASHING PUMPKINSのジェームズ・イハが手がけている。アコースティックとエレクトリックを組み合わせた風通しのよいギター・サウンド。パンプキンズのゴリゴリした音ではなく、イハの1997年のソロ・アルバム『LET IT COME DOWN』(写真)に近い雰囲気。これも居心地の良さの要因となっていたはずだ。

今気づいたけど、スマバンもリチャード・アシュクロフトもザ・ミュージックも、UKでのリリースは全部HUTレーベル! HUTが、この映画に出資してたりして…。

 パンプキンズといえば、来日公演が決定したビリー・コーガンのソロも楽しみ。ジミー・チェンバレンもソロ・アルバムを出したし、今年はスマパン卒業生の話題が多い。