ぬらりひょんは歌う - gakusのブログ

gakus2005-07-07

　三池崇史監督の「妖怪大戦争」はファミリー・ムービーの皮をかぶった、やりたい放題のエンタメ映画で、期待にたがわぬ出来。都会から田舎に越してきたいじめられっ子の男の子が、村祭りで麒麟送子と呼ばれる伝説の勇者に選ばれたことから、妖怪の世界で起きた陰謀に立ち向かうハメになる、というストーリー。素っ頓狂なギャグが例によって随所に散りばめられているが、クライマックスはこれまたトンデモないくだらなさで押しまくる。女妖怪のサービスカットも多くて、これはお父さん大喜びだろうなあ…。

　妖怪にふんする顔ぶれが個性派ぞろいで、竹中直人、三輪明日美、岡村隆史、石橋蓮司など、ナイスなキャスティング。ぬらりひょん役の忌野清志郎は意味なく楽しげで、これまたいい感じです。清志郎は出演だけでなく、主題歌『愛を謳おう』と挿入歌『おしえてジィジ』も手がけている。ちなみに、これは井上陽水との約30年ぶりの共作。『愛を謳おう』はエンディングでフィーチャーされているが、問題は挿入歌の方で、これがクライマックスと重なり、脱力感を加速させる。どんな歌かは聴いてのお楽しみ。

　30年前の清志郎と陽水の共作『帰れない二人』は、相米慎二監督の「東京上空いらっしゃいませ」で、大々的にフィーチャーされ、涙を誘ったが、今回の方は間違いなく笑いを誘うでしょう。

　ジャケは、そんな清志郎の若き日の熱唱が楽しめる最新のRCサクセションのベスト盤『Best Album Wonderful Days 1970-80』。