gakus2005-07-18


 急遽、出張でイタリアに行くことになり、イタリア語に慣れ親しもうと、我が家のDVDライブラリーからイタリア映画を探索。ヴィスコンティフェリーニ作品などあるはずもなく、ダリオ・アルジェントルチオ・フルチあたりがワサワサと出てきた。「世界残酷物語」「食人族」やらも。とりあえず、最近観てなかった「デモンズ」を観ることにする。

 ダリオ・アルジェント製作によるこの映画は、映画館に閉じ込められた観客が次々と“デモン(悪魔)”と化していくというホラー映画。悪魔というより、そのキャラクターはほとんどゾンビで、噛まれた者も伝染してデモンと化す。まあ、物語ははっきりいってメチャクチャで、話が進むほどB級ノリが加速していくが、情容赦ないバイオレンスがお得意のイタリア映画らしく、目玉は突き刺され、皮膚はひきちぎられの大騒ぎ。グチョグチョとした粘着感を醸し出す特殊メイクが、また見事。

 で、肝心のロックだが、当時(1985年)のヒット曲がけっこう使われている。パニック・シーンは主にヘビメタで、モトリー・クルー等をフィーチャー。また、たまたま映画館に迷い込むヤク中4人組のカーステレオからは、ゴー・ウエスト、アドベンチャーズビリー・アイドルというクリサリス勢が連続。ビリー・アイドルは『WHITE WEDDING』の起用で、その不穏な空気を漂わせたアレンジは、この後に起こるボンクラどもの悲惨な運命を予感させるに十分。そういえば、この曲、ここ数年の他の映画でも聴いたような気がする。

 ホラー映画は作り手も観客も(気が)若いので、ロックと結びつく傾向にある。そもそもホラー映画の中では、ロック好きのボンクラはだいたい殺される運命にあるものだし…。それはともかく、夢中になって見入ってたら、イタリア語なんてどーうでも良くなっていた。本末転倒。

 ジャケはCLIENTというイギリスのエレクトロポップ・デュオが今年の頭にリリースしたシングル『PORNOGRAPHY』。CDシングルには、タイトル曲以外に『WHITE WEDDING』のカバーがライヴ・バージョンが収録されている。この人たちのヒンヤリとしたシンセ・ポップは、ある意味、夏向きかも。

デモンズ [DVD]

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