あ、あなたも歌いましたか…。
日本を舞台にしたスティーヴン・セガール主演のモンド・アクション「イントゥ・ザ・サン」(11月公開)のエンドクレジットでは、OASISとU2を足して2で割ったようなアレンジのナンバーが流れる。歌声に聞き覚えがあるが、どうにも思い出せない。気持ちよさげなボーカルに、ふと“コレってひょっとして…いや、まさかね”という思いが駆け巡り、やがて出てくる使用楽曲クレジットで“ひょっとして"がその通りであることに愕然とする。歌っていたのは、スティーブン・セガール、その人でした。
そもそも、この「イントゥ・ザ・サン」は、最近のセガール作品と同様に彼自身がプロデュースを手がけたワンマン映画である。てめえが金を出しているのだから、やりたいことをやるのは当然といえば当然だが、まさか主題歌まで歌ってしまうとは思わなかった。
これに味をしめたのか、セガールはCDまで出してしまい、日本でも来月リリースが決定。『SONGS FROM THE CRYSTAL CAVE』と名づけられたこのアルバム(写真)には、先の映画の主題歌や挿入歌も収められている。
で、これを聴かせていただいたのだが、意外にもと言っては失礼だが、ちゃんとした洋楽になっているのである。予備知識もなくレコ屋で不意に耳にしたら、ブルージーで渋い曲だなあぐらいの感想を持であろうナンバーもあった。B.B.KINGばりのブルースギターがむせび泣いていたり、ファンキーなビートがしっかり刻まれていたり。実はスティービー・ワンダーも参加しているという、嘘のような事実にも驚かされた。
渋いロックを凝縮したような前半から一転、後半はカリプソやらラテンやら、ノーテンキなナンバーも飛び出して調子が狂ってしまうのだが、ここまでくるとセガールだし仕方がないか…という気になってくる。この“仕方がない"をどう説明していいのかわからないが、決まっているのかいないのか判然としないジャケも含め、モンド・マニアはとりあえず必聴ということで、ひとつ。
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