期待どおり!

gakus2006-08-19

“俺は来年「SNAKES ON A PLANE」で、この賞(=MTVムービー・アワード)を受賞する。
高飛車に聞こえるのはわかってるが、知ったこっちゃねえ!
保障しよう、「SNAKES ON A PLANE」は来年のベスト・ムービーに選ばれる。

     サミュエル・L・ジャクソン 2006年MTVムービー・アワードのスピーチより


 どーです、この自信。その「SNAKES ON A PLANE」が今週末、全米で封切られた。タイトルどおり旅客機内が毒蛇の群れによってパニックに陥る…というとんでもないアニマル・パニック・ムービー。そんなB級的内容にも関わらず、サミュエルの暗示にかけられたのか向こうの映画雑誌はこぞって特集しているうえに、ネットで噂が噂を呼び、盛り上がっているらしい。そして今週末、この映画が全米公開されたが案の定、初登場ナンバーワンが確定的な好スタートとなった。

 個人的にはサミュエルの主演というのはもちろん、監督が「デッドコースター」「セルラー」と小気味良い娯楽作を連発するデビッド・R・エリスである点も期待を抱かせるポイントだったが、いや、コレがマジで面白いのです。証言台に立つことになった、犯罪組織による殺人事件の目撃者をホノルルからLAへ護送するFBI捜査官、というのがサミュエルの役だころ。犯罪組織は証人を消すために、キングコブラやブラックマンバなどの毒蛇を荷物室に運び入れ、時限装置で解き放ち、たちまち機内は大パニックとなる。この地獄絵図の凄まじさは「デッドコースター」の凄惨な殺戮描写に通じるうえに、ブラックユーモアもたっぷりで、トイレの便器に潜んでいたヘビが噛むのは、やっぱりアレだったりする。キャラクターの描写も「セルラー」に通じるヒネリ方で、パメラ・アンダーソンのポスターをe-bayで落札しようとPCにはりついているサミュエルの同僚や、赤ん坊を守るために体を張るおばちゃん客室乗務員など、忘れ難い脇キャラは多い。

 物語的には確かにB級だが、刺激が強く、MTVムービー・アワードが歓迎するであろう内容に違いない。ダメを押すかのように、エンドロールの脇にはCOBRA STARSHIPなるバンドの主題歌『BRING IT』のPVがフィーチャーされる。このバンド、今どきのUSオルタナ人気アーティストからなるオールスター・バンドらしい(詳しいことはわかりませんが、THE ACADEMY IS…などのメンバーがいるようです)。そりゃ、現役MTV世代は喜ぶわな…。

 また、冒頭ハワイののどかな風景に重なるのはで流れるのは、DONAVON FRANKENREITERG.LOVEのコラボレート・ナンバーで『IT'S GONNA BE ALOVELY DAY』。G.LOVEは「セルラー」に何曲か提供していたが、その流れがここでも汲まれたのだろうか。とにかく、この後のストーリー展開がLOVELY DAYなんかにならないのがミソ。

 ジャケはDONAVON FRANKENREITER、今年リリースの好盤『MOVE BY YOURSELF』。

追記
 邦題「スネーク・フライト」に決定(10月公開)。

スネーク・フライト [DVD]

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