このバカ映画を埋もれさすな!その3

gakus2006-11-13

 新作「STRANGER THAN FICTION」が全米でヒットしている ウィル・フェレル。こっちはキャストも豪華なので日本公開される可能性も高いけど、サマー・シーズンを席捲した「TALLADEGA NIGHTS:THE BALLAD OF RICKY BOBBY」の方は厳しそう。「俺たちニュースキャスター」と同様にビテオスルーの可能性大。

 「TALLADEGA〜」はウィル・フェレルふんするレーサーの栄光と失墜、復帰を描いた、この手のドラマにはありがちな展開なんだけど、そこはフェレルなので調子に乗ってるとブイブイいきがり、堕ちたら泣きわめいたり、パンツ一丁でコースを走り回ったりと、落差が無意味に大きい。とはいえ、「俺たちニュースキャスター」のようにフェルレ以外のキャラもハメをはずしているわけではなく、後期星一徹のように息子を影から見守る主人公の父親のような泣かすキャラも登場したりする。そういう意味では前作のバカ度は越えていない。

 音楽はレーサーの心意気を表すかのように、泥臭いナンバーがズラリと並ぶ。レースのシーンは大抵ハードロック、それ以外ではブルースロックやカントリー。1970年代のナンバーが多かった。クライマックスのレース・シーンではAC/DCの『T.N.T.』がガンガン鳴っていて、いかにもカー・アクション風。しかし、フェレル作品なのでそのまま続くはずもなく、PAT BENATAR『WE BELONG』の大げさにゴージャスな響きが音楽的なオチとなる。

 ジャケはAC/DC『T.N.T.』を収録した1976年のアルバム『HIGH VOLTAGE』。


追記
「タラデガ・ナイト オーバルの狼」の邦題でDVDリリース。