ティーンエイジ・モンスター
今日もアニメの話。スティーブン・スピルバーグとロバート・ゼメキスのプロデュースによる「モンスター・ハウス」(1月公開)は、幽霊屋敷の秘密に挑む少年ふたりと少女の冒険を描いたホラー・ファンタジー。ハロウィンの夜、暴走してしまいそうなこの屋敷の霊から子供たちを守ろうと、彼ら3人は霊の秘密を解き明かそうとするが、さてその真相は?
メインストーリーとなる冒険話はもちろん、男の子たちの年齢的な描写もリアルで面白かった。男の子ふたりは12歳ぐらいで、ゴーストの存在を信じられる最後の時期。もうすぐゴーストより異性の方が気になる年齢であるのは、ヒロインの前では何かとかっこつけて“怖くないよ"的なポーズを見せたりすることも明らかで、このへんの甘酸っぱさに好感。ヒロインは少年たちに別れ際“よき思春期を!"なんて明るく声をかけているけれど、思春期そのものがモンスターに例えられることもあるし、このセリフはなんとなく残酷だよな…いや、むしろそんな残酷さがいいのですが。
それはともかく、この映画のエンドクレジットは、SIOUXIE & THE BANSHEES『HOLLOWEEN』が使われていて驚いた。“Trick or treat"のリフもあるから歌詞的にはフィットするんだけど、ハリウッドのメジャー映画に、こんなポストパンク・ナンバーが使われるとは。「バットマン・リターンズ」のエンディングにもバンシーズは曲を提供していたが、あれはティム・バートンだからと何となく納得していたけれど、今回はさて誰の趣味だったのか…。そんなことを考えていると、この映画の持つなにげない残酷さも、ティム・バートン作品に近いのかな、という気がしてきた。
ジャケはスージー&ザ・バンシーズ『HOLLOWEEN』を収めた1981年のアルバム『JUJU』。
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