やれ、そして、続けろ

gakus2007-07-09

 『PUNK'S NOT DEAD』(9月公開)は、その名のとおりのパンクのドキュメンタリー。そしてその名のとおり、パンク史ではなく、あくまで現在のパンク・シーンをとらえた作品です。

 エモだのポップだのと多様化するシーンを俯瞰しつつ、GOOD CHARLOTTESUM41等を指した“ポップ・パンクなんてパンクじゃねえ!”的論争や、商業化、政治性といった側面を見つめるのみならず、陽の当たらない広い裾野にも目配せ。世界各国のアマチュア・パンク・バンド(日本のバンドのシーンも一瞬登場)を紹介し、改めてパンクの基本理念である“DIY”(Do It Yourself)の精神を伝える。

 若いバンドだけではなく、30年間ずっと現役でやってるバンドの活動も追っているのだが、U.K. SUBSが未だに現役でやっていることには驚いた。単に売れなくなるとシーンから消えたと思われがちだが、やる人間はやっているのである。この他、一度は解散したが再結成後の方が息が長いSTIFF LITTLE FINGERS、SUBHUMANSなどの活動も追跡。SUBHUMANSのドラマー、TROTSKYのお宅を訪問して、子供と戯れる彼の姿が捉えられていたりする。

 やっぱり長く続けている人の発言には重みがあるんだけど、中でもグッときたのはSTIFF LITTLE FINGERSのジェイク・バーンズの発言“今でも自分が正しいと思うことを歌う”。30年も前に作った曲に対して、こう断言できる人はなかなかいないだろう。

 バーンズの発言の直前にライブ・フッテージで挿入される「TIN SOLDIER」。ジャケは、この曲を収めたSTIFF LITTLE FINGERS全盛期のライブ盤、1980年リリースの『HANX!』。そういえば、BRUCE FOXTONがSTIFF LITTLE FINGERSの一員としてコメントしていて、色んな意味で複雑な気持ちになったな…。

PUNK’S NOT DEAD SPECIAL BOX [DVD]

PUNK’S NOT DEAD SPECIAL BOX [DVD]

PUNK’S NOT DEAD [DVD]

PUNK’S NOT DEAD [DVD]