頭の中にも春が来た

gakus2008-04-14

 暖かくなってきて思考能力が低下し、頭の中でピヨピヨとチョウの飛ぶ音が聞こえてきそうな今日この頃。そんな季節にピッタリのアドベンチャー・コメディー『フールズ・ゴールド』(5月公開)のお話。

 主人公は、18世紀のカリブ海に沈んだ秘宝を捜し求めるトレジャー・ハンター(マシュー・マコノヒー)。夢見がち過ぎて妻(ケイト・ハドソン)に愛想をつかされた矢先、彼はついに秘宝のありかを特定する証拠をつかんだ。とはいえ、もはや資金も尽き、探索の手段はない。そこで一計を案じた彼は大富豪(ドナルド・サザーランド)とその令嬢に取り入り、クルーザーに乗せてもらって海に出る。ところが、そこで働いていた妻と鉢合わせになったことから、ドタバタ騒動が…。ピーカンのカリブ海、惚れた腫れたの騒動、そして欲に憑かれた人々の争い。これらがユル〜いテンポで繰り広げられるのだから、頭を使う必要はナシ。ただ身を任せ、笑ってドキドキして、ビキニ姿のハドソンをめでればオッケーだ。

 ちょっと得した気分になったのは、『ブロークン・フラワーズ』の露出狂娘アレクシス・ジーナが富豪令嬢に扮していたこと。世間知らずのこの女の子は、やはりあっけらかんと過激なビキニ姿を見せてくれる。

 カリブとくれば、音楽もレゲエで決まり。社会的プロテストの意義があったであろうナンバーも、ここではガンジャでラリッて気持ちイイ程度の意味しか持たない。この際、それもまた良しだー。ジャケはDESMOND DECKER、1994年の編集盤『COMPASS POINT』。ここに収録された“YOU CAN GET IF YOU REALL WANT”が、宝探しに加担するサザーランド父娘のダイビング練習のシーンで流れてくる。“本当に欲すれば手に入る”と、根拠のない自信をあたえてくれる一曲。