童貞の次がやっと

gakus2008-10-07

 昨年夏にアメリカで大ヒットした、『40歳の童貞男』のジャド・アパトー監督による『KNOCKED UP』が、やっと、やっと12月に日本公開決定。公開規模は限りなく小さいけれど、それでもまずはめでたい。邦題が、なんと『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』! この映画については2007年10月22日のエントリーをどうぞ。

 さて、今回の公開は2本立て興行で、同じジャド・アパトーのプロデュースによって作られた今春の全米ヒット作『FORGETTING SARAH MARSHALL』がくっついてくる。ちなみにこっちの邦題は『寝取られ男のラブ♂バカンス』!! アパトー作品らしくリアル感のあるバカ男を主人公にしたコメディーで、『命中男』で主人公の友人を演じているジェイソン・シーゲルが脚本と主演を兼任。しかしカティーブ・カレルといい、セス・ローゲンといい、アパトー人脈からは才能のある喜劇人がどんどん出てくる。

 お話は、女優である恋人サラ・マーシャルにフラれてトコトン落ち込んでいる作曲家(シーゲル)が、傷心旅行でハワイに行ったら、そこで偶然にもサラと鉢合わせ、しかもどう見ても頭の悪そうなロックミュージシャンと恋仲で、さらに落ち込んでしまう…というもの。新たな恋を予感させたり、復縁の気配を漂わせたりと、どう転ぶかわからないドラマ面の面白さはもちろん、全裸で始まり全裸で終わる主人公のボケつぷりや、とにかく泣くことしかできない情けなさなど共感できるオバカさん像が妙味。それと例によって、ヒロインの現在の恋人であるバカ・ロッカー、ハワイかぶれのサーフィンのコーチ(やはりアパトー組のポール・ラッド)などの、サブキャラが面白い。

 さて、冒頭サラのいなくなった部屋でオイオイ泣いている主人公の部屋に流れているのがシニード・オコナーの"NOTHING COMPARES 2 U"、それに続いてザ・スミス”HEAVEN KNOWS I'M MISERABLE NOW”。前者は皮肉、そして後者はタイトルどおりのミジメさで救いがない。”1日の終わりに彼女が求めた、カリギュラでさえ恥じること”が何なのかは、この映画ではナゾ。

 ジャケはTHE SMITHS1984年リリースのこの曲のシングル盤。