ポップ職人再評価

gakus2009-03-27

 ヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマー製作の『お買い物中毒な私!』(5月公開)は、ブランド物買いが止められない若い女性の困った日常を描いたコメディー。

 ファッション誌の編集の仕事を夢見るヒロイン(アイラ・フィッシャー)はタイトルどおりの買い物中毒で、10枚近いクレジットカードはすでに限度額に達し、取り立て屋に追いかけられる日々。失業の危機を、オカタい経済誌の編集部に就職することで何とか回避した彼女は匿名のコラム執筆で人気者となるが、その矢先に思わぬ騒動が…。『ミュリエルの結婚』『ベスト・フレンズ・ウェディング』といったダメ女映画で才気を発揮したP.J.ホーガン監督らしい題材。男としては正直、”買い物をすると世界が輝いて見える”というヒロインの衝動は理解し難いが、少なくともクレジットカードは多少、整理をしなきゃと思わせるに十分の教訓は含んでいると思う。

 女性目線で展開する物語にふさわしく、ここでかかる曲に関してはほとんどわからない。唯一オッと思ったのは冒頭のナンバー。少女時代のヒロインの回想シーンに重なるのがRIC OCASEK"EMOTION IN MOTION"。懐かしいと思うと同時に、女性映画にも合うソフトでフレンドリーな曲をオケイセクが書いていたのは、この人の鋭敏なポップ・センスがなせる技。WEEZERのファーストでオタクなパワーポップをプロデュースして、なおかつこういう曲も書けるのだから、やはり凄い人だと思うのです。

 ジャケは、この曲の日本盤7インチ。1986年リリース。