高えよなあ…

gakus2009-07-18

 邦画の人気に押されて、このところハリウッド映画が日本の映画館でかかりにくい状況に陥っている。キャスト的に地味な映画は、どんなに内容がよくてもスクリーンにかからずDVDスルーの運命をたどる。ドリームワークス製作の『オー!マイ・ゴースト』もそんな1作。

 主人公は人づきあいが苦手で、皮肉屋の歯科医(『ナイト・ミュージアム』の館長役で知られる英国の演技派リッキー・ジャーヴェイス)。大腸検査時の麻酔効果で臨死を体験した彼は、以来成仏できないゴーストが見えるようになる。このゴーストたちがあの世に行けないのは、生前の出来事に心残りがあるから。で、ゴーストたちは歯科医に思いをかなえてくれるよう頼むんでくる。中でもしつこいのは、未亡人となった妻の再婚相手が気に入らないプレイボーイ(グレッグ・キニア)。頼まれ事でさえ苦痛の歯科医はいらだちを募らせつつ、彼の希望をかなえようとするが、同時にこの未亡人に恋心を抱くようになる…。”人は何のために生きるのか”というテーマをライトかつユーモラスなファンタジーの中に、押しつけがましくなく浮き彫りにした好編。個人主義的な若い人には伝わりにくいかもしれないが、このテーマは自分にはグッとくるものがあった。

 で、驚いたのがキニアがバスに豪快にはねられて命を落とした直後のオープニングタイトル。ここで使用される曲はTHE BEATLES"I'LOOKING THROUGH YOU"。ビートルズの楽曲使用料が高額なのは周知の事実だが、それでもここに収まるピースとしての必然性は伝わってくる。”君を探している、でも君は昔の君じゃない”というのは、成仏できない死者の視点でもあり、この後に訪れる歯科医の運命を象徴しているかのようだ。

 他の使用曲を安く上げざるをえなかったのか否かはわからないが、他に使われている曲は知らないものばかりでした。

 ジャケはビートルズ、ご存じの名盤『RUBBER SOUL』。9月にはステレオBOXやモノBOXがリリースされるビートルズ。こちらも高額ゆえ、アナログ盤で買いそろえたりブートでゲットしたりしているファンとしては購入すべきか否か、悩ましいところであります。

ザ・ビートルズ・ボックス

ザ・ビートルズ・ボックス

ザ・ビートルズ・モノ・ボックス(アンコール・プレス)

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グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ~ベスト・ヒッツ・ライヴ(DVD付)

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