ママは教えてくれた!?

　今週末に公開される『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は、ギリシャ神話をベースにした現代のファンタジー。『ハリー・ポッター』シリーズの初期２作を手がけたクリス・コロンバスが監督を務める。

現代の高校生パーシーはある日突然、ギリシャ神話の神の子であることを知らされ、同様の神々の子息たちが住みこんでいる戦士養成所へ入れられる。しかし、最愛の母親を魔物にさらわれたことから、彼はそこを抜けだし、仲間とともに救出の冒険に出る。

　訓練所では主に剣や槍などの古代の武器の訓練を教えているのだが、劇中ではそんな技術はほとんど役に立たず。むしろGPSやPCが大事なアイテムとなっているのが、いかにも現代的。羽根付きで空を飛べるコンバースも大活躍。こうなると神話などどうでもよく、今風のポップな感覚で楽しんだ方がベター。見つめた者を石に変える魔女メドゥーサ（演じるはユマ・サーマン）を倒たのもiPodのお陰だったりする。

　今どきの高校生らしく、旅先のラスベガスではドラッグの罠にあっさりはまるのだが、このシーンのＢＧＭとして使用されているのがTHREE DOG NIGHT、1970年のヒット曲”MAMA TOLD ME (NOT TO COME)"。本来の使命を忘れさせ、堕落を招く、こんな環境、そりゃあママも”行ってはいけません”と言うだろう。しかし、そのママが今は囚われの身という皮肉。ちょっと笑えましたー。

　パーシーの父がポセイドンであるという設定からしてギリシャ神話的に正しくないし、”こんなのギリシャ神話じゃない！”と思うわれるかもしれないが、そんな方は４月公開の『タイタンの戦い』をどうぞ。

　ジャケは1970年リリース、スリー・ドッグ・ナイトの同曲を収めた『IT AIN'T EASY』。

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