kiss! kiss! molly’s lips

gakus2010-07-31

このところ童貞系アクターについてばかり話している気がするが、昨日の『魔法使いの弟子』の主演俳優ジェイ・バルチェルは、今年全米で『SHE’S OUT OF MY LEAGUE』というラブ・コメディをアメリカでスマッシュヒットさせている……が、これはたぶん日本ではDVDスルーだろうなあ。

バルチェルふんするは、空港の搭乗ゲートで手荷物検査の仕事をしている、人が良くて気弱な青年カーク。ある日、彼は検査場にiPhoneを忘れていった美女モリーと親しくなり、彼女の好意を引いてしまう。モリーは弁護士の資格を持ち仕事はやり手で性格もよい10点満点の女の子。対してカークはやせっぽちで貧相で学もなく、同僚たちに“どう見ても5点”と言われる始末で、モリーのマッチョな元カレにも負い目を感じてしまう。彼女の求愛は嬉しいはずなのに、そんなコンプレックスが邪魔をして……。

レディオヘッドの”CREEP”のような曲にどっぷり共感できて、”ANYONE CAN PLAY GUITAR”のような気分になれない人なら、この主人公の根深い劣等感は理解できると思う。“なんで俺にこんな娘が!?”という感じで、そこら辺の微妙な感情を好感とともに出せるのがバルチェル君の味。キス・シーンでは明らかに彼の方がぎこちなくて、見ていて“ほら、頑張れ”と応援したくなるし、主人公に美人の恋人ができたと知るやヨリを戻そうと迫ってくる性悪な元カノの方が自分にふさわしいと思ったりするところは、ちょっと泣けてくる。同じギーク俳優でも、ジェシー・アイゼンバーグよりずっとイイ奴に見えるし。

音楽面で笑えたのは、カークの同僚がホール&オーツのカバー・バンド(自称“トリビュート・バンド”)をやっているということ。パーティのシーンで”KISS ON MY LIST”や“EVERYTIME YOU GO AWAY”を歌うのだが、アクションも80’s風のシャツも髪型もダリル・ホールの真似っ子(しかも似てない)。バックにはジョン・オーツ役の口髭男もちゃんといるのだからおかしい。

ジャケは2004年リリース、JETのシングル『COLD HARD BITCH』。この曲が流れるクライマックスではバルチェル君が、まさしく強烈なビッチに追いかけられるハメになり、これまた笑った。

↑このトレーラーのWEEZERもいいね。