家に帰りたいんですけど…

gakus2011-11-01

 スティーブ・カレルの主演(兼プロデュース)作にしては、さほどオバカじゃない『ラブ・アゲイン』(11月公開)は邦題どおりのロマンチック・コメディ。個人的には、ちょっと身につまされたりして…。

 ある日突然、妻(ジュリアン・ムーア)から離婚を切り出されたマジメなサラリーマン(カレル)。妻にはすでに浮気相手(ケビン・ベーコン)がおり、彼は失意のどん底に突き落とされる。そんなある日、バーで出会ったのが、夜ごと女性をとっかえひっかえしている若い遊び人(ライアン・ゴズリング)。カレルは妻を見返そうと、この若い男の指導の下で、オシャレや会話のコツを猛勉強してプレイボーイの腕を磨いてゆくが…。他にコズリングが本気になってしまう女性にエマ・ストーン、カレルがナンパする女性にマリサ・トメイなどキャストは豪華。最近のこの手の映画には珍しく、悪人らしい悪人は出てこない、ある意味オールドスタイルのハリウッド映画。皆の気持ちがそれなりに理解できる点が魅力といえば魅力だけれど、都合良く話が進みすぎるのが難点と言えば難点。老いも若きも恋に夢中で、とてもお盛んな映画でありました。

 印象に残ったのは、妻と別居したカレルが夜中にこっそり戻ってきては庭の手入れをしているところ。このシーンではトーキング・ヘッズ“THIS MUST BE THE PLACE”が流れるんだけど、これがドンピシャで、”家こそ僕の求めるもの〜生まれつき気が小さいんだけどね”という歌詞は主人公の心情にハマリ過ぎている。ガーデニングという趣味がまたイイね。一方で、トーキング・ヘッズのデビッド・バーンの”ホーム”に対する小市民的なコダワリを改めて実感。これについては、『ウォール・ストリート』のエントリーもご参照頂ければ。

 ジャケは1983年リリース、TALKING HEADSのシングル"THIS MUST BE THE PLACE"。

↑この予告編で流れるTHE CUREMUSEは本編では使われていません。