地球は悲しげに回ってる

gakus2011-12-29

 おそらく来年には日本公開される『APOLLO 18』を輸入DVDで見る。『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフ監督がプロデュースしたフェイク・ドキュンタリー・ホラー。

 アメリカのアポロ計画は17号で終了とされているが、じつは極秘裏に18号が打ち上げられていて、その船内外のカメラがとらえた映像を再編集した…ということになっている。3人の宇宙飛行士を乗せたアポロ18号は月へと向かい、母船に残ったひとりの連絡員を除く、ふたりが月面着陸に成功する。そこで彼らが見たものは、ソ連の月面探査機と宇宙飛行士の無残な亡骸。やがてふたりは、想定外の事態に直面し…。

 何に直面するのかは予想されるとおりなんだけど、フェイク・ドキュメンタリーのぶん説明がいっさいないから、得体のしれない怖さを感じさせる。一方で、見捨てられることの恐怖を伝えている点が味。月面に置き去りにされたら、どう考えても生き残れそうにないし…。結局、人間の判断が何より怖いということか。

 エンドクレジットではJODY RAYNOLDSの陽気なロカビリー・ソング("DARK SIDE OF THE MOON")が流れるが、これはオチャメなフィーチャー。続いて聴こえてくるTHE PARKING LOT"WORLD SPINNING SADLY"は、けっこうシミる。アウタースペースから覗く地球が悲しげに見えるのは、人間の業の深さゆえなのかもしれません。そういう意味ではDAVID BOWIE"SPACE ODITY"に通じるものがある。

 ジャケはサイケデリック最盛期、1960年代後半のUKビートを集めたコンピレーション『INSANE TIMES』。"WORLD SPINNING SADLY"は、このアルバムの他、いくつかのサイケ・コンピで聴けます。