バカ帰還!

gakus2012-01-12

 昨年最後のブログでチラリと触れた、1月公開の『ジャック&ジル』。全米ではドル箱スターだが日本ではDVDスルー作品ばかりのアダム・サンドラー主演、久々の日本劇場公開作品です。

 広告代理店で働くジャック(サンドラー)は仕事も家庭も順風満帆の成功者だが、唯一の頭痛のタネは双子の妹ジル(女装したサンドラー、2役)。天真爛漫さゆえにうっとおしい彼女と、ユダヤの祭日を過ごせねばならないのが悩ましい。追い打ちをかけるように、ドーナツのCMにアル・パチーノを起用して欲しいというクライアントからの難題が。ところが、こともあろうにパチーノがジルに一目ぼれしたことから、事態はジャックが予期していなかった方向へ転がりだし…。

 全米の映画格付けサイト、腐れトマトでは100点満点中、一桁点数という最低ジャッジが下されている本作だが、これは幼稚さが売りのサンドラー作品にはよくあること。ファンとしては、サタデー・ナイト・ライブ時代によくやっていた女装演技やユダヤ・ジョークに嬉しくなってしまう。アル・パチーノのノリノリの怪演もバカっぷりに拍車をかけているし、特別出演のジョニー・デップもジルにデュラン・デュランのメンバーに間違えられる始末。見ていて妙に得した気分になってくる。

 当ブログで再三指摘しているように、サンドラー作品は80年代のヒット曲と切り離せない。今回も同様だが、今回はビースティ・ボーイズや2アンリミテッドなどのヒップホップ〜ダンス系の音楽が目につく。ゴーゴーズ"VACATION"なんかも印象的に使われてはいますが。

 ジャックとジルが絆を取り戻しかけるシーンのひとつに、子供のころに得意としていたダブルダッチを再びやって見せる場面があるが、このシーンで流れるのがランDMC"IT'S TRICKY"。あまり利口そうに見えないジャック&ジルのコンビネーションが"TRICKY"と称されるギャップ、そこが妙味と言えるでしょう。

 ジャケは1987年リリース、RUN DMCの米盤シングル『IT'S TRICKY』。