クリムゾン・リバー2
フレンチ・サイコスリラーの続編「クリムゾン・リバー2」を観賞。
修道院のキリスト像がかけられた壁から死体が発見され、以後、使徒の名を持つ者たちが次々と殺害される。事件を追うのは、一作目に登場したジャン・レノ扮する警視ニーマンスと、新登場の若い麻薬課の刑事(ブノワ・マジメル)。彼らはやがて狂信的なカルト集団の存在に行き当たる。最近のヨーロッパコープ作品では精彩を欠いているリュック・ベッソンだが、脚本を手がけた今回もやはり…。色使いや構図など、映像的にはハッとさせられる部分はあるものの、謎解きのスリルに関しては腰が甘く、かなり物足りなさが残る。まあ、一作目からして途中でミステリーを放棄していたから、その路線を踏襲しているとも言えなくはないんだが…。
劇中、ブノワ・マジメル扮する刑事が、麻薬の売人と大乱闘する部屋で、イギー・ポップ&ストゥージズの『I WANNA BE YOUR DOG』が大音量で鳴り響く。イギーといえば「トレインスポッティング」の影響もあってドラッグ・ミュージックの代名詞みたいになってしまい、ここでもこんな使われ方である。今や更正後のキャリアの方がずっと長いし、アルバム自体のクオリティも、それ以後の方が高いと思うんだが…。「トレインスポッティング」は若いファンがついたという点ではイギーのキャリアに良い影響をあたえたけれど、同時にヤク中のレッテルまで貼り直してしまったのは、良かったのか悪かったのか。一度しみついてしまったイメージは、なかなか消せないものなのだなあと痛感。
ちなみに、映画のエンディングは、これまたイギー&ストゥージズで『NO FUN』。この歌シャレになってないよ、ベッソンさん…。
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