イギリス映画当たり年

gakus2012-02-21

 アカデミー賞にいろいろノミネートされているからというワケではないけれど、今年は日本公開されるイギリス映画が元気だ。オスカー関連作では『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』『マリリン 7日間の恋』(以上3月公開)、『裏切りのサーカス』(4月公開)、他ではレイフ・ファインズ監督作『英雄の証明』(3月公開)、エロ全開の『Shame/シェイム』(3月公開)、ケン・ローチの新作『ルート・アイリッシュ』(3月公開)、その息子ジム・ローチの監督作『オレンジと太陽』(4月公開)と、見ごたえのある作品が並ぶ。今公開されてる『ザ・トーナメント』もB級節が効いていて面白かったし。これで昨年11月6日のエントリーで紹介した2本が日本公開されたら、間違いなくイギリス映画の当たり年になると思う。

 現時点で日本公開が決まっている作品で、もっとも気に入っているのがティルダ・スウィントン主演、『モーヴァン』のリン・ラムジー監督作『少年は残酷な弓を射る』(6月公開)。ティルダふんする女性の家庭が、いかにして崩壊していったかをフラッシュフォワード&ホラー映画風に描いた逸品で、スプラッター映画でもないのに、やたらと鮮血のイメージが焼き付く。ティルダのダンナ役がジョン・C・ライリーというのもイビツだし、何より悪魔のような息子がスゲエ! 息子役のエズラ・ミラー、近寄りたくないほどの病んだ個性の持ち主なので、その筋のファンには人気が出るんじゃないかな。

 劇中、バディ・ホリーの"EVERYDAY"が流れるシーンがあるけれど、アレンジのかわいらしさとは裏腹に、目の前の映像は殺伐としている。この選曲のセンスも、なんだかスゲエ!!

 ジャケはBuddy Holly、"EVERYDAY"を収録した1958年リリースのセルフタイトル・アルバム。"EVERYDAY"はナイアガラ・トライアングルVol.2"A面で恋をして"の元ネタとしてもおなじみ。そういえば、ナイアガラ〜、また再発されるんだよねー。

↑このトレーラーの冒頭の曲。