2009-01-01から1年間の記事一覧

違い過ぎた一日

気が付けば全米の賞レースもたけなわですが、意外だったのはピーター・ジャクソンの新作『ラブリーボーン』(1月公開)が無視されていること。個人的にはシミる映画だったが…。 1973年、14歳のスージは近所に住む変質者に殺害された。彼女は最愛の家族のこ…

久々に刺さった

ロック・オタの恋愛下手ぶりを描いた作品としては『ハイ・フィデリティ』『ショーン・オブ・ザ・デッド』以来の傑作と断言したい『(500)日のサマー』(1月公開)。独身時代の自分を見ているようで、笑えたり痛かったり。 主人公はグリーティングカードの…

さほどエロくはないが

7月12日のエントリーで触れた『JUNO/ジュノ』の脚本家ディアブロ・コディの新作『JENNIFER'S BODY』を、先日の出張時に鑑賞。全米ではあまり評判が宜しくながったが、それは自分のようにミーガン・フォックスのエロ目当てで見た観客が多かったからでは…

早くしないと”3”が…

売値が高くて、いまだ日本公開のメドが立たないロブ・ゾンビ監督の『Halloween II /ハロウィン2』。ジョン・カーペンターの傑作ホラーをリメイクした前作は意欲的なドラマ作りが賛否両論を呼んだが個人的には断然アリ、だ。で、その続編となる本作は、バイオ…

I GOTTA GO NOW!

ドキュメンタリー界の鬼っ子マイケル・ムーアの新作『キャピタリズム マネーは踊る』(12月公開)は、タイトルどおり現代の資本主義の在り方を糾弾した快作。何が気持ちイイって、イギー・ポップの”LOUIE LOUIE”が鳴るオープニングに決まってるじゃないか! …

ある意味、痛快

今週末公開のローランド・エメリッヒ監督によるディザスター大作『2012』。ここではマヤ暦で予告されているという世界の終りが描かれる。 地球の核の溶解とそれが引き起こす地震・地割れ・大津波。それを予知していた先進国首脳はアメリカ主導で対策を練り、…

アー・ユー・オッキー!?

本日より公開される『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』は、マイケルが世を去る直前まで行っていたツアーのリハーサル映像をまとめたドキュメンタリー。生前最後の姿が見られる……という点がファンには嬉しいところ。 "WANNA BE STARTIN' SOMETHIN'"のリハー…

ロックと人生

再結成活動中の、PANTAとTOSHIの頭脳警察。その再結成を追った3部作『ドキュメンタリー頭脳警察』の第一部のお話を。 この第一部では再結成頭脳警察のライブ映像こそはさみ込まれるものの、むしろ核をなすのはPANTAのバイオグラフィと、2006年ごろに行った…

アメリカの湖畔も怖いぞ

早く日本公開してほしいハリウッド製リメイク・ホラー2編。アメリカで一度見たけれど、待ちきれず輸入盤のDVDも購入。それほど面白かった…ということで話を進めたい。 ひとつは鬼才ウェス・クレイブンのデビュー作にしてホラーの古典『鮮血の美学』をリメイ…

大英帝国の怖い田舎

『ディセント』の影響か、ここ最近イギリス製のスリラーが元気だ。11月公開の『ディセント2』も面白かったし、DVDスルーの『悪魔の椅子』や『JIGSAW デッド・オア・アライブ』も頑張っていた。そんな中でも、来月DVD化される『バイオレンス・レイク』(…

メタボ版『ダイ・ハード』

昨日紹介した『40男のバージンロード』以上の1億ドル超えの全米大ヒット作でも、コメディーとなればDVDスルー。そんな不遇な映画『モール★コップ』はアダム・サンドラーのプロダクションが製作した作品。サンドラーは出ていないが、『チャックとラリー おか…

今日も草食系

昨日に続いて草食系男子が登場するラブコメディ。とはいえ、こちらは完全に男子目線。『40歳の童貞男』のポール・ラッドと『寝取られ男のラブ♂バカンス』のジェイソン・シーゲルというジャド・アパトウ組のコメディー俳優の顔合わせによる『40男のバージン…

ちょっといいラブストーリー

ラブストーリーは苦手な方だが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演の『理想の彼氏』(11月公開)は意外にシミるイイ話。 キャサリンは夫の浮気にブチ切れ、二人の子供を連れてニューヨークで新生活を送ろうとしている40歳のシングルマザー。新居の一階にあるカ…

ママもパパも本当に大丈夫!?

『蝋人形の館』のハウメ・コジェ=セラ監督が、再びダーク・キャッスル・エンタテインメントの元で手がけたスリラー『エスター』(10月公開)は、『オーメン』の流れを組む、いわゆる”恐るべき子供”モノ。しかし実はそれほど単純でないことが、見ていくうち…

実在する”悪魔”

米版ヴォーグ誌の編集長で、『プラダを着た悪魔』のモデルとなったファッション界のセレブリティとして有名なアナ・ウィンターの日常を追うドキュメンタリー『ファッションが教えてくれること』(11月公開)の話。 主な舞台はニューヨーク。秋のファッション…

均等の難しさ

『OBSESSED』(全米ナンバーワンヒット作にしてビヨンセ主演、でも日本ではDVDスルー決定…内容はコチラ)のアリ・ラーターも怖かったが、『The OC』のミーシャ・バートンも負けじとコワーいストーカー女を演じたサイコサスペンス『ウォッチャーズ』(9月…

ビヨンセの功罪

明日から公開される『キャデラック・レコード/音楽でアメリカを変えた人々の物語』は、1950〜60年代のブルース全盛期、そしてロックンロール黎明期を支えたマイナー・レーベル、チェス・レコードの物語。 白人でありながら黒人に偏見を持たず、ヒットが出る…

バカ者どもの祝祭

前回のエントリーで取り上げたサミュエル・L・ジャクソンがナレーターとして参加しているクエンティン・タランティーノの新作『イングロリアス・バスターズ』(11月公開)。かねてから話題となっていたタランティーノ初の戦争映画だが、同時にそれは彼の映…

サミュエルが怖い!

全米でスマッシュヒットを記録しながらも、日本ではDVDスルーとなったスリラー『レイクビュー・テラス 危険な隣人』。ここまでクオリティの高い作品が劇場公開されないのだから、日本における洋画の不振は深刻と言えよう。 サミュエル・L・ジャクソンが…

高えよなあ…

邦画の人気に押されて、このところハリウッド映画が日本の映画館でかかりにくい状況に陥っている。キャスト的に地味な映画は、どんなに内容がよくてもスクリーンにかからずDVDスルーの運命をたどる。ドリームワークス製作の『オー!マイ・ゴースト』もそ…

この時代に音楽にハマリたかったな

前回のエントリーに続き、この秋ボンクラ男子必見の『パイレーツ・ロック』の話を。今回は音楽ネタ。 時代背景は1966〜67年なので、もちろんその時期の曲が中心。冒頭、ティーンエイジーャーが枕の下に隠したトランジスタラジオで聴いてる海賊放送から、ガツ…

男子校ノリ

10月に日本公開されるイギリス映画『パイレーツ・ロック』は個人的にモロ、ツボ。面白い! 舞台は1966年、ロンドンがもっともスウィンギンしていたポピュラー・ミュージックの全盛期。BBCは一日に45分しか流行歌を放送してはいけないという規制があった。…

フェレルはフェレル

1970年代にアメリカの子供たちの間で好評を博したTVシリーズに基づく『マーシャル博士の恐竜ランド』。ファミリー向けのファンタジー・アドベンチャーには違いないが、ウィル・フェレルが主演となれば、やはりそれだけでは済まなくなる。 タイムマシンを開…

ラブソングではありません

このところ80年代ネタが多いが、今日もまた。今年のアカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされたイスラエル製アニメーション『戦場でワルツを』(秋公開)の話。 物語はアリ・フォルマン監督(『セイント・クララ』)の実体験に基づいている。主人公の映画…

食われてもいいかな…

今いちばん見たい新作映画は、コレ。『JUNO/ジュノ』でアカデミー賞脚本賞を受賞したディアブロ・コディの新作で、『トランスフォーマー:リベンジ』も好調のミーガン・フォックスがフェロモン多過のヒロインを演じるホラー・コメディー『JENNIFER'S BO…

狂気のDJ感覚

『ディセント』が素晴らしすぎたニール・マーシャル監督の新作『ドゥームズデイ』が、全米公開から一年半を経て漸く、漸く9月に日本公開される。 物語は2008年、新種の伝染病が蔓延したイギリスで、病気のグランド・ゼロであるスコットランドが隔離されると…

生と死の狭間で

今週末劇場公開される『サンシャイン・クリーニング』がイイ! 『リトル・ミス・サンシャイン』の製作チームによる新作。 主人公は、その昔はチアリーダーで人気者だったが、今はハウスクリーニングの仕事に奔走する30代のシングルマザー(エイミー・アダムス…

アメリカン・モッズ

最近のDVDスルー作品の中で、音楽的にオッ!?と思ったのはジョン・ヘダー主演の『ママ男』。ヘダーふんする主人公は30近くなっても母親(ダイアン・キートン)離れできないマザコン男で、母を独占したくて再婚話をダメにしようと相手の男に執拗に嫌がらせを繰り…

あれこれスケールアップ

博物館の展示物が動き出すという奇想天外な設定がウケた大ヒット・ファンタジーの続編『ナイト・ミュージアム2』(8月公開)。前作の舞台はニューヨークの架空の博物館だったが、今度は世界最大の博物館施設で実在する、ワシントンのスミソニアンが舞台。…

スゲーぞ、クワイ=ガン

U2のヨーロッパ・ツアーが始まったことをココで知ったが、それで思い出したのが『96時間』(8月公開)。ヨーロッパコープの製作で原題"TAKEN"、今年2月に全米で大ヒットを飛ばしたのは記憶に新しい。 リーアム・ニーソンふんする主人公は政府の元特殊工…