普通じゃない

gakus2004-05-22

 アッシュ/ASHの新譜『MELTDOWN』がメチャクチャ良い。メロディーの良さは相変わらずだし、疾走感もあればテンションも高め。これが4枚目のアルバムだが、良い意味で前3作の流れを汲んでいる。音楽的な変化を求めると称して、持ち味を殺してしまうほど変化してしまうバンドもいるけれど、アッシュは裏切らない。成長していないという意味ではなく、根っこがしっかりしているということ。国内盤にはボーナスCDとして、ライブ盤が収録されているが、過去の曲も新曲も同次元で演奏することができるのは、彼らならではだろう。

 そのライブCDにも収録されている『A LIFE LESS ORDINARY』は、ご存知のとおり、「普通じゃない(原題 A LIFE LESS ORDINARY)」(監督ダニー・ボイル、出演ユアン・マクレガーキャメロン・ディアス)のために書き下された曲。この曲がアッシュのナンバーでは一番好きというファンも多いと思うが、私もそのひとり。つんのめるような勢いと、泣きのメロディー。イントロ後のドラムの入りもツボを心得ていて文句なしだ。が、しかし…。

 最近は日米同時公開の映画も多くなったが、基本的に本国と日本では公開のタイムラグがあり、サントラ盤が日本公開より早く聴けるケースは多い。『A LIFE LESS ORDINARY』を初めて聴いたときも、まだ映画の日本公開は決まっていなかった。しかし、時すでにインターネット時代、情報がまわるのは早い。なんたって「トレインスポッティング」でロックを効果的に使ったダニー・ボイル監督の、新作からの曲。サントラからの最初のシングルカットで、そのうえ、メチャクチャよい曲となれば、どんな使われ方をするのか嫌でも興味をそそられる。しかし、である。主人公カップルの逃亡シーンで、チラっと流れただけ。しかも間奏のみ! タイトルトラックだから主題歌級の扱いと思いきや、それ以下である。サントラに入っていないオアシスの『ROUND ARE WAY』が主題歌扱いというのも癪にさわった(いい曲ですけどね。そういえば、5月8日の日記に書いた「キャンプ」でも、この歌が使われていて、同じくエンディングでのフィーチャーだったな)。かなり落胆したけれど、映画がダメ男ストーリーとして楽しめたのは救いだった。

 サントラに入ってるのに劇中でフィーチャーされなかったり、予告編では流れたのに本編では使われなかったり…ということはロックの場合、よくあることだから慣れっこ。しかし、「普通じゃない」の場合は期待がデカかったぶん、落差も大きかった…なんてことを、ライブCDを聴きながら思い出した。

 明日から出張のため、更新を一週間ほど休みます。


普通じゃない [DVD]

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