ラス・メイヤー映画祭

gakus2004-07-18

 ラス・メイヤーのコンプリート映画祭が9月に開催される。またか…なんて言いっこなし。今回は日本未公開作6本も登場。初期作品に若干欠けるものがあるのは残念だが、上映作18本という規模の大きさは過去最大級ではないだろうか。

 そのうちのひとつ、「モーターサイコ」をビデオで観る。1965年のこの映画は、メイヤーが直後に撮る「ファスター・プッシーキャット・キル!キル!」と同様、モノクロのバイオレンス・ムービー。レイプ、押し込み、殺人と、したい放題の若いバイカー3人組に、妻を犯された男が復讐しようとする物語。3人組の一人が持っているラジオから、つねにグルーヴィーなナンバーが流れており、これがメチャクチャかっこいい。インストでギターがギャンギャン鳴り響き、ハモンドオルガンがうねっている。BOOKER T.&MG’Sがパンクをプレイしたかのような凄まじさ。が、サントラは、やはり出ていないようである。残念。

 しょうがないので、ブッカーT&MG’s/BOOKER T & THE MG’Sの話を。オーティス・レディングなどのバックを務め、スタックスの肉厚ソウルを支えた、このバンドを初めて知ったのは、学生のころ。チャールズ・ブコウスキー原作の映画「バーフライ」を観て、そこで『HIP HUG-HER』を聴き、たちまちファンになってしまった。以後、多くの映画で彼らの曲を意識するようになる。「スリング・ブレイド」「ラスベガスをやっつけろ」「ビッグ・リボウスキ」「ブロウ」等々。いずれも古い時代を回顧するノスタルジー性の強い映画だが、BOOKER T & MG’Sのナンバーは、そんなレイドバック感にピッタリくる。スタックスサウンドは全般的に泥臭いのだが、そこにハモンドオルガンが重なると、鋭角の印象をあたえるから不思議。

 1960年代のMG’Sは『GREEN ONION』をはじめとするヒット曲を連発し、ノリにノッていた時代。若者にウケるように思われる音楽を…ということで、「モーターサイコ」のナンバーは、MG’S風になったのではないだろうか。

 BOOKER T & THE MG’Sのアルバムは、どれも大好きだが、ここは個人的ファースト・インパクトの『HIP HUG-HER』収録、1967年の同名アルバムを。音もいいけどジャケもクール!

ラス・メイヤー ワイルドBOX [DVD]

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