フェイスレス

gakus2004-09-30

 知人に誘われ、フェイスレレス/FAITHLESSなるイギリスのバンドの来日公演を観るべく、恵比寿リキッドルームへ。このバンド、ダンス・ミュージック系の方々で自分は完全な門外漢。一度も聴いたことがなかったものの、それでも楽しめました。

 バンドはドラムにパーカッション、キーボード、ギター、ベースにボーカル、バックボーカル2名という編成で、ダンス系にしては珍しくほとんど打ち込みを使っていない。バックボーカルのひとりはラッパーで、時々フロントに出てきてラップするんだけど、片手を高々と上げて左右に振るラッパー特有のアクションを披露し、オーディエンスも一斉に同じ動きを。こんな光景「8Mile」でしか観たことなかったから、まず単純にそこに感激。演奏の方も思った以上にノイジーで、ジミヘンみたいなギターリフから始まる曲もあれば、ドラム&パーカッション、ベースのリズム隊にキーボート・リフまで加わって歯切れ良いリズムを刻むナンバーもあり、思っていた以上にかっこいい。“ジョージ・ブッシュトニー・ブレアに捧げる”とアナウンスされて始まった曲もあったが、この間のニューヨーク・ドールズ公演でもデビッド・ヨハンセンがそんなことを言っていたな…と思い出し、欧米の空気が確実に大統領選に向かっていることを実感する。

 とはいえ、ダンスミュージック系の音楽をアルバム一枚、聴き通せない自分は一時間ほどで飽きてしまい、途中で退場。“うるさいギターとエイトビートが聴きて〜!”と思いつつ、電車で帰宅しました。

 で、家に帰ってから聴いたのがスティッフ・リトル・フィンガーズ、1979年のアルバム『Inflammable Material』(写真)。北アイルランド出身の、このバンドを聴きたくなったのは、昨日の日記に記した「ブラディ・サンデー」の影響もあったのかもしれない。反体制的パンク・アティチュードを明快に打ち出し、勢いづけてぶちかましたスピーディーで荒々しいロケンロー・アルバム! 

 帰宅後、フェイスレスについて調べてみたら、楽曲が映画に起用されることも少なくないようで、「普通じゃない」「恋は嵐のように」「ザ・ビーチ」「エントラップメント」などなど、そうそうたるハリウッドメジャー作品が並んでいる。裏を返せば、それだけ向こうでは人気があるということなのだろう。個人的に大好きな「チェイシング・エイミー」にまで使われていたとは。意識して聴いてこそいなかったが、何度も耳にはしていたようです…。