ビルの好きな音楽

gakus2004-10-10

 アマゾンで購入した「キル・ビルVol.2」のDVDが到着。スクリーンで観て以来、気になっていたところを、さっそくチェック…といってもたいしたことではないのですが。

 ブライドが中国山中への修業に出る直前、ビルに“今度はいつ逢えるの?"と尋ねるが、それに対するピルの答えは“それは俺の好きな70年代ソウルの曲名だ"。で、ブライドのセリフでもある、この曲名をボンヤリ聞き過ごして気になっていたのですが、改めてみてみると『WHEN I WILL SEE YOU AGAIN』と言っている。これはスリー・ディグリーズの1974年のヒット曲。フィラデルフィア・ソウルのスタイリッシュなナンバーに目をつけるのは「ジッャキー・ブラウン」での選曲はもちろん、「パルプ・フィクション」の『LET'S STAY TOGETHER』の起用も思い起こさせる。

 対して冒頭、虐殺現場となるまえの教会で、サミュエル・L・ジャクソンふんするピアノ奏者は、ルーファス・トーマスのバックで演奏したり、アーチー・ベル&ドレルズやコースターズ、バーケイズ、クール&ザ・ギャングのテキサス公演で一緒にプレイしたという。ピアノ奏者のサザンソウル指向を的確に表わしているが、こういう泥臭い傾向のソウルにまで目が利くタランティーノの趣味の広さは、さすがレコードコレクター。

 レコードコレクターにもいろいろいて、ひとつのアテーィストを追いかけ、同じレコードの仕様違いを多数集めているピンポイントタイプもいれば、幅広く面白い音(時にはジャケ)を探して求めている雑食型もいる。タランティーノは後者に近いのだろう。私も、どちらかというとこちらのタイプであることは、このブログでも明らかですね…。

 ジャケは「VOl.1」のサントラに収録されず、「Vol.2」の方で晴れて収められた梶芽衣子の『怨み節』。ご存じ「女囚さそり」シリーズの主題歌。一本の映画の中に、こんな情念渦巻くド演歌まで盛り込むんだからタランティーノ、かなりの雑食です。