キツい食べ合わせ

gakus2005-03-26

 一昨日、昨日にふれた「ノミ・ソング」について、またまた思い出したことがあったので書いておきます。

 昨日記したデビッド・ボウイのバックでのTV出演によって、クラウス・ノミ知名度は広がり、勢いに乗ってアメリカ・ツアーに出発する。各地で熱狂的に歓迎されたのは、アングラ・シーンのヒーローにしては喜ばしい出来事だったが、ニュージャージーだけは勝手が違ったとか。労働者が集まるクラブでの演奏。しかも前座は、こちらもデビュー前のツイステッド・シスター。そう、後にハードロック・シーンに躍り出るケバいメイクの、あのツイステッド・シスターだ。


こんなのの後に、こんなのが出てくるのである。

 分厚いステーキの後に、脂の乗ったシメ鯖が出てくるような、食い合わせの悪いコース。どちらも濃いには違いないが、質が違う。ともにメイクをしているアーティストとはいえ、音楽性は水と油。ノミのバンドのドラマーが“労働者の前でアートをやるなんて、怖かった”と正直にカミングアウトしているのがおかしい。

 ふと思い出したが、こういう異様な組み合わせは、田舎の映画館の2本立にありがち。個人的には中学生のときに観た「青い珊瑚礁」と「13日の金曜日」の2本立を連想してしまった。

 ジャケは、ツイステッド・シスター1984年の大ヒット・アルバム『STAY HUNGRY』。このジャケのボーカルの人を、ウチの嫁は“長髪のタケちゃんマン"と呼んでいる。