元祖スケーターロック
ドキュメンタリー映画「DOGTOWN & Z-BOYS」で紹介された、1970年代LAの伝説的なスケーター・チーム、Z−BOYS。そのメンバーである若者たちの成功と挫折を、ドラマとして描いた「ロード・オブ・ドッグタウン」が、この冬お正月映画として公開される。
スケートボードの妙技によって革新的なスタイルを生み出し、スターとなった若者たち。しかし、それぞれの生き方の違いは友情の破綻を引き起こすことになる。そんな成功の光と影をまざまざと見せつけつつ、それでも失われことのないスケボー熱と絆を浮かび上がらせる。細部に描きこみ不足の不満はあるものの、アツさは十分伝わる愛すべき青春映画。
音楽はやはり当時のヒット曲が中心で、いずれもギターのノイズで押す、かなりヘビーなナンバー。ジミ・ヘンドリックスやオールマン・ブラザース・バンド、イギー・ポップ、ディープ・パープルなど、いずれもパンク以前のアーティストだが、この映画の流れで聴くとどれも凶暴で、現在のスケーターロックに続くパンクの萌芽がこの時点で芽生えていたことが、わかりやすいほどよくわかる。
とりわけインパクトがあるのは路線からは外れるが、エンドクレジットで使用されるLAパンクの雄、SOCIAL DESTORTIONの『DEATH OF GLORY』で、ご存知、THE CLASHのカバー。流れ的に異質な選曲ではあるが、情熱と商業主義のギャップを歌ったこのナンバーは、映画の主人公たちにはまりすぎるほどハマっており、それだけで泣けてくる。歌詞は字幕になっていなかったが、これはぜひ出してほしい。
また、これまた路線的にはずれるが、印象的だったのはロッド・スチュアートの大ヒット曲『MAGGIE MAY』。ラジオから流れてくるこの曲を、Z-BOYSの連中が去った後、その兄貴分だった男(ヒース・レジャー好演)が、ボードを作りながら歌っている。哀愁を漂わせた、なんとも言えず切ないシーンでした。ジャケは、この曲を収録したロッドの1971年の名盤『EVERY PICTURE TELLS A STORY』。
ロード・オブ・ドッグタウン コレクターズ・エディション (初回限定生産) [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2006/07/26
- メディア: DVD
- クリック: 44回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
スーパースター・ストーリー~ザ・ベスト・オブ・ロッド・スチュワート~
- アーティスト: ロッド・スチュワート
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (5件) を見る