アンビリーバボー

gakus2006-01-24

 昨年3月のLA出張時に不気味な宣伝ポスターを見かけて以来、ずっと気になっていたスリラー「ジャケット」が今年5月に漸く日本公開される。

 主人公は、湾岸戦争で頭部に負傷を負った帰還兵(エイドリアン・ブロディ)。ヒッチハイク中にエンコしていた母娘の車を修理してあげた後、彼は若い男が運転する車に乗せてもらう。カーオーディオから聴こえてくるのは、ちょっと懐かしいEMFの『UNBELIEVABLE』。その車に停止を命じるパトカー。次の瞬間、帰還兵は警官殺しの罪で裁判を受け、心神喪失を言い渡さる。まさしく“UNBELIEVABLE"な展開だが、さらに主人公は入院先の精神病院で、奇妙な治療を受けることになり、その治療の最中に10年後の2007年の世界に意識が飛躍。そして、そこで自分があとわずかの命であることを知り、彼は偶然出会ったウェイトレス(キーラ・ナイトレイ)とともに、自分の身に何が起きたのかを調べようとする。

 といった具合に、なんとも奇妙な味わいのスリラーだが、コワいというよりむしろ切ない感触の残る映画。昨年、似たタイプの映画を観たけれど、それが何なのかはとりあえず秘密にしておきます。

 キーラ・ナイトレイふんする、メイクのキツいウェイトレスのキャラがよくて、部屋にはイギー・ポップの『LUST FOR LIFE』のアルバム・ジャケットが飾ってある。レコード・プレーヤーの脇にはヴェルヴェット・アンダーグランドの1STの裏ジャケも発見。ということは、あの人のレコードもあるかな…と思ったら見当たらず、やがて彼女の母親の部屋に、その人のポスターを発見。音楽の趣味は親譲りだった…ということが判明する。この辺が好きな方なら、だいたい察しがつくと思いますが、これも観てのお楽しみということで…。

 ジャケはEMF、1990年リリースのシングル盤『UNBELIEVABLE』。

ジャケット [DVD]

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