天井桟敷からのストーンズ

gakus2006-03-22

 1月9日のエントリーに記したような理由で割とギリギリまで迷ったが、結局行ってしまったローリング・ストーンズ、東京ドーム公演。チケットは、いちばん安い席。初来日公演のうち一日は、こんな席で観たなあと思い出した。あのときは、こんな席でもアリーナと同額だったけど。

 開演時間となって、唐突にバンドが出てきて演奏を始めたもんだから、“なんて地味なオープニング”と思ったが(さすがにこの位置ではモニターもリアルプレイヤー級の小ささで、誰が出てきたのか判別できない)、これは前座(誰なのか知りません…)。『SAD SAD SAD』みたいなリフのオープニング曲、どこかで聴いたような…と思ったら『哀・戦士』(映画「機動戦士ガンダムⅡ」の主題歌)の英語のカバーじゃん! 

 途中でタバコを吸いにいったら、ロビーは人がいっぱい。この空間だけ空気が白い。キースは中でも吸えて、いいよなあ…。

 前座後、会場で鳴っていたBGMが、洋楽ランダム有線みたいで面白かった。T.REXイギー・ポップトーキング・ヘッズあたりの殿堂入り級のアーティストから、キングス・オブ・レオンゴリラズ等の比較的新しいものまでランダムにかかっている。誰の趣味なのか気になる。

 客電が消えて、いよいよスタート。『JUMPING JACK FALSH』のイントロが鳴ってキースにピンスポが当てられた瞬間“来て良かった!"と思った。どのコンサートもそうだけど、最初の一音が鳴った瞬間は本当にゾクゾクする。しかも今日、鳴っているのは何度ライブで聴いても鳥肌がたつ、ロック史に残るギター・リフ。

 前座時にはステージ脇にモニターが設置されていたが、ストーンズの出番では巨大セットの中央にでっかいモニターが位置していて、ここからでもよくみえる。ミックは相変わらずよく動くなー…この歳でピタTを着れるロニーって…チャーリー、今日は最後までもたれずにがんばれ…などなど、いろんな思いが渦を巻く。

 『JUMPING』に続いて『LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER』『SHE'S SO COLD』と気持ちのいいナンバーが。新曲をはさんで、この日の個人的ハイライト。引きずるようなギターのイントロに乗って鳴り響いた『SWAY』。間奏のロニーのブルージーなギターに酔う。そして“コノキョクヲオボエテルッ?"というミックの日本語MCに対する失笑をかき消すかのようにキースがアコギで引き出した『AS TEARS GO BY』! ドラムも入ったバンド・バージョン! キースが椅子に座ってアコギを持ったとき、“なんだ、『ANGIE』か…”となめてかかってしまい、ゴメンナサイ。もう、タイトル通り泣きそうだ…。

 中盤はレイ・チャールズの『NIGHT TIEME IS RIGHT TIME』のカバー、恒例キースのボーカル2曲(『HAPPY』!コレを聴かないとストーンズのライブを見た気がしない)等を経て、いよいよ移動ステージ。『MISS YOU』を演奏したまま、ステージが動き出し、アリーナ後方へ。おっ、メンバーが近くなった! 武道館公演で観たとき(席は2階)ぐらいの位置には近づいたかも。『ROUGH JUSTICE』と、なんだかかわいらしいアレンジの『GET OFF OF MY CLOUD』。そして『HOKY TONK WOMAN』をプレイしつつ、ステージは元の位置へ戻る。このセットを見てしまうと、過去最高値のチケット代もしょうがないか…という気がしてくる。

 『SYMPATHY FOR THE DEVIL』(今風のダンサブルなアレンジ)、『PAINT IT BLACK』(久しぶりに聴いた)、『START ME UP』『BROWN SUGAR』と駆け抜けて、いったん幕。アンコールは『YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT』と『SATISFACTION』。ふー、満足でした。

 観客の期待にキッチリ応えるプロ根性もさることながら、まだまだ元気なところを見せてくれたストーンズ。作った当時は若気の先走り的な歌だったろう『GET OFF OF MY CLOUD』『SATISFACTION』を今歌うのは、つくづく凄いことだなあと思う。ガンコオヤジが、まだまだ憎まれ口を叩いてる頼もしさとでもいおうか…的確に言い表せないのが歯がゆいけれど、いい気持ちになって帰ったのは事実。あと何回、日本に来てくれるかな…。ジャケは1966年リリース、ストーンズ最初のベスト盤『BIG HITS (HIGH TIDE AND GREEN GRASS)。

ザ・ビッゲスト・バン(初回生産限定版) [DVD]

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