車でキル・ビル

gakus2006-07-03

 シリーズ3作目にしてアメリカから東京に舞台を移したカー・アクション「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」(9月公開)。「頭文字D」に「キル・ビル」をミックスしたような…すなわち徹底的に漫画的な快作(というか怪作)です。

 スピード違反の常習犯である高校生(ルーカス・ブラック)が事故を起こしたことでアメリカにいられなくなり、軍人である父を頼って日本へ。そこでドリフト走法の存在を知り、ドリフト・キングの異名をとるヤクザの甥っ子にスピード勝負を挑む…というお話。前2作のように高速アクションにCGを使ったりはしておらず、渋谷のスクランブル交差点の人波を引き裂く掟破りのカー・アクションにそれを投入しているところは好感が持てた。なぜか次のシーンでは新宿西口の道路を走っていたりとツッコミどころはあるものの、そんなことを言ってたら「WASABI」も「東京攻略」も「イントゥ・ザ・サン」も観れなくなってしまうので、これはこれでまったく許容範囲。

 日本が舞台ということで、いつものテクノ、トランスものに加え、日本人アーティストの曲も使われていて、DRAGON ASHの名をエンドクレジットで見かけたが、どれか判別つかず。TERIYAKI BOYSなるヒップホップ系のアーティストの曲は、違法レースの舞台で高校生たちの溜まり場でもある立体駐車場で2度フィーチャーされていた。なじみのあるところでは、ルーカス・ブラックがオーストラリア人のヒロインとデートするシーンで、少年ナイフの『TOP OF THE WORLD』(カーペンターズのカバー)が元気よく鳴っている。大阪ガレージつながりで、The 5.6.7.8's『THE BARRACUDA』が、満員電車に押し込められたり、人波に流されたりする主人公の初登校シーンでフィーチャー。このバンドは「キル・ビル」にも出てたから、やはり映画の印象としてはダブるな…。

 ジャケは、そのThe 5.6.7.8's、タイムボムから出ていた、同曲収録のミニアルバム『PINHEEL STOMP』。