キャンディ・ソウル
昨日のエントリーでふれた「ブラック・ダリア」の他に、この秋日本で公開されるジョシュ・ハートネットの主演作には「ラッキー・ナンバー・スレヴィン」がある。こちらも犯罪ドラマだが、もっとトリッキーで意表を突く展開。「ギャングスター・ナンバー1」「ホワイト・ライズ」を手がけたポール・マクギガン監督の新作です。
ジョシュふんする青年スレヴィンは、タイトルとは裏腹に徹底的についていない。恋人の浮気現場に遭遇した上に、友人のアパートを訪ねたらその友人に間違えられてギャングに殴られ、さらにギャングの手先となって人殺しをも強要され、敵対組織にも同様の殺人任務を命じられる始末。そしてなぜか、行く先々には謎の殺し屋(演じるは「16ブロック」も控えるブルース・ウィリス)の影が…。多くを語ると面白さが半減する映画なので、ここらへんでストップ。キャストがやたらと豪華で、先述のふたりの他に、2大ギャング組織のそれぞれのボスにモーガン・フリーマン、ベン・キングスレーというオスカー俳優、ヒロインに「キル・ビル」ルーシー・リューという顔ぶれ。
ルーシー・リューは、ジョシュの友人のアパートの隣室に住む女性で、ジョシュの新たな恋のお相手となる。で、ふたりの間のムードが盛り上がったときに流れるのがWENDY RENE、1964年のヒット曲『AFTER LAUGHTER』。泥臭いブラック・ミュージックが売りのSTAXには珍しい、何ともかわいらしいスローテンポのナンバー。キャンディ・ソウルと言ってしまいたいほどのWENDYの歌声が、実にいい雰囲気を醸し出している。それにしても、こんなマイナーな曲をよくぞ引っ張り出してきたものだ。
ジャケは、このナンバーを収めた編集盤でSTAX-VOLTレコードのシングルをひとまとめにしたBOXセット『THE COMPLETE STAX-VOLT SINGLES 1959-1968』。
追記:『ラッキーナンバー7』に邦題決定。
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