出張中

gakus2006-10-11

 飛行機の中で、ヴィンス・ヴォーンジェニファー・アニストン共演のラブコメディー「The Break-Up」を観た。これがなかなかオモシロいんだけど、キャストの吸引力とロマンチックな魅力に欠けるぶん、日本ではビデオスルーの可能性大。

 どこがオモシロいかというと、恋愛気分が高まるのは最初のオープニングタイトルまでで以後は破局一直線という、ラブストーリーには極めて珍しい展開。ふたりのマイホームまで購入したものの、ヴィンスは仕事を終えて家に帰ってもゲームばかりやっていて、思いやりゼロ。そんな彼の愛情を試そうと、ジェニファーは嫉妬心をあおるために浮気を匂わせたりするのだが、噛みあわず…。ヴィンスのダメ男っぷりが見事というかリアルというか。この主人公は兄や弟と、シカゴの観光案内会社を経営している。ちなみに兄役に「フルメタル・ジャケット」の発狂兵士役でおなじみのヴィセント・ドノフリオ、弟に「ハイアー・ラーニング」のネオナチ学生、「地獄の変異」で人間以外のモノに寄生されるダイバーを演じたコール・ハウザーという布陣で、コメディ俳優開眼前のヴィンス・ヴォーンフィルモグラフィーを考慮すると、サイコなDNAに一貫性を感じる絶妙のキャスティングというべきでしょう。

 それはさておき、映画の後半で、ジェニファーはヴィンスとコンサートに行く約束をする。コンサートの主役はOLD 97'Sで、実際に彼らのライブ・シーンも挿入され3曲ほど劇中で聴ける。コンサートのオープニングは『TIMEBOMB』。このライブ・シーン、個人的にはもっとじっくり見せて欲しかったんだけど、映画の流れ的にはシリアスなシーンなのでそうもいかず。ライブの熱気とは相反する、物語面の哀愁が印象深いシーンでした。

 ジャケは、その『TIMEBOMB』を収録した1997年のアルバム『TOO FAR TO CARE』。この曲は奇しくもヴィンス・ヴォーン主演の「ムーンライト・ドライヴ」のオープニングでもガーンとかかっていて、“何だ、このかっこいい曲は?”と思い鑑賞直後にCDを買いに行ったことを思い出した。

追記
 『THE BREAK UP』は『ハニーvs.ダーリン 2年目の駆け引き』の邦題でDVDリリース。