今のマンチェ

gakus2008-09-09

 『ダブリン上等!』に続いてジョン・クローリー監督が手がけた『BOY A』(11月公開)は、前作とは打って変わってシリアスなドラマ。少年刑務所らしきところから出所した青年が、新たな名前を得て新生活に臨むのだが、メディアに煽られた世間はそれを許さず、この主人公は追い詰められていく…というストーリー。少年がいったい何をしたのかは映画が進むほど明らかになり、そこにミステリー的な面白さを見て取ることはできるが、同時に自分の周囲にこういう人がいたら、どうするか?という疑問を投げかける。彼の保護監察官とその息子のエピソードもからみ、緊張感に拍車をかける。舞台となるマンチェスターの重い空気感も活きている、なかなかの力作!

 舞台はマンチェスターで、主人公が職場の友人とともにクラブに行くシーンがあるんだけど、さすがに昔のマンチェ物はかかっていない。MINT ROYALEやROBYNといった今風のダンス・ミュージックのフィーチャー。中でも印象に残るのは、MYLOの”DROP THE PRESSURE"で、図らずも飲んでしまったエクスタシーにラリッた主人公が、狂ったように踊るシーンで流れる。ジャケは、これを収録した2004年のアルバム『DESTROY ROCK & ROLL』。

 主人公の心の支えとなるヒロインがオデブちゃんだったので、THE SMITHSMORRISSEYの歌詞を、つい思い出してしまったことを、ついでにメモっとこ。